オシム・ジャパン2戦目は今月16日のアジア杯予選・イエメン戦だ。新生日本代表にとって初の公式戦。今回はA3チャンピオンズ杯のため招集されなかった千葉やG大阪からも招集される見通しで、本格スタートともいえる試合になる。
次は、日本代表はメンバー大幅変更へ イエメンは西アジアの小国。オマーンの隣国でアラビア半島の先端に位置する。サッカーのスタイルは堅守速攻の中東スタイル。最新FIFAランキングは125位(日本は49位)。W杯出場はなくアジア杯の本戦出場もない。今回のアジア杯予選は2試合消化。2月のサウジアラビア戦は0−4大敗も、3月のインド戦は3−0快勝で1勝1敗の3位につける。 国際サッカー連盟(FIFA)から05年、サッカー協会が政府の干渉を受けていることを問題視された。一時的に国際試合の出場停止処分を下されるなど、強化態勢は十分とはいえない。 日本はジーコ体制下の2月、今予選初戦のインド戦に6−0圧勝している。現在A組首位。イエメンは日本からの金星がなければ予選突破は厳しく、ひと泡吹かせようと必死に向かってくる。
巻、遠藤らを招集=サッカー日本代表・イエメン戦 日本サッカー協会は13日、アジアカップ予選のイエメン戦(16日、新潟スタジアム)に臨む日本代表22人を発表、オシム新監督の初采配(さいはい)となったトリニダード・トバゴ戦(9日)メンバーを基本に、巻誠一郎(千葉)、遠藤保仁(G大阪)らが加わった。 ▽GK 川口(磐田)、山岸(浦和) ▽DF 三都主、坪井、闘莉王(以上浦和)、加地(G大阪)、駒野(広島) ▽MF 中村(名古屋)、羽生、阿部、佐藤勇(以上千葉)、遠藤(G大阪) 鈴木、長谷部(以上浦和)、山瀬功、田中隼(以上横浜M)、小林大(大宮) ▽FW 巻(千葉)、我那覇(川崎)、佐藤寿(広島)、田中達(浦和)、坂田(横浜M)。 A3チャンピオンズカップ出場のため、招集できなかった千葉から巻、阿部勇樹のほか、羽生直剛、佐藤勇人が初めて選出され、双子の兄弟、佐藤寿人(広島)も引き続き選ばれた。G大阪からは遠藤と加地亮の2人。 トリニダード・トバゴ戦の19人からは、故障の今野泰幸(F東京)、追加招集だったDF栗原勇蔵(横浜M)、21歳以下代表の青山直晃(清水)が外れた。
日本サッカー史上初の双子の日本代表が誕生する。アジア杯予選のイエメン戦(16日、新潟ス)に向けて今日13日に発表されるメンバーに、9日のトリニダード・トパゴ戦でも代表入りした広島FW佐藤寿人に加えて双子の兄で千葉MF佐藤勇人(24)が初選出されることが12日、分かった。昨季千葉を率いていた際に現日本代表オシム監督が最も高く評価していたボランチが、弟とともにジャパンのユニホームに袖を通す。日本代表は今日13日の午後に新潟市内に集合し、初練習を行う。 夢がかなった。「いつかは寿人と代表でやりたい」。兄勇人の願いが現実になった。今日13日に発表される代表メンバーに、弟とともに名を連ねた。10日に行われた代表スタッフミーティングで、オシム監督が勇人を代表に呼ぶことをコーチングスタッフに伝えた。千葉監督で息子のオマル氏に、勇人の現状も既に聞いている。 勇人は昨季、オシム監督から最も評価された選手だ。年俸も1800万円から3300万円(いずれも推定)にほぼ倍増している。80%の伸び率は千葉勢としてはトップで、指揮官から信頼されている証拠といえる。豊富な運動量が持ち味で、オシム監督がいう「水を運ぶ人」タイプのボランチだ。同監督から3年半指導を受けており、やり方は頭だけではなく、体に染み付いている。 W杯ドイツ大会前、弟の寿人がジーコジャパン入りした。勇人は自分のことのように喜んだ。「いつかは代表で一緒にやろう」と約束したが、弟もW杯メンバーには残れなかった。自分には可能性がなかった分、弟の落選はショックだった。2人はその時、さらにレベルアップすることを誓い合った。 W杯をテレビ観戦し、ミドルシュートの重要さをあらためて知った。イングランド代表MFランパード、ジェラードらが果敢にシュートを狙う姿勢を見て、練習を重ねた。自主トレ期間中、ほかの選手は熱い昼間を避けて朝や夕方に練習したが、勇人はあえて毎日午後2時から1時間、玉のような汗を流した。メニューはペナルティーエリア外に立てたボードに1度ボールを当ててからの跳ね返りをミドルシュート。1日で軽く100本を超える。それでもつらいと思ったことはなかった。 そのかいあってか、この日は代表入りを引き寄せるゴールを決めた。新潟戦の後半21分、こぼれ球を右足で入れて勝ち越した。双子の兄弟の同時選出の夢はかなえた。目指すは、2人で代表に定着し、4年後の南アフリカ大会で寿人とともにW杯戦士になることだ。2人のサクセスストーリーは始まったばかりだ。
オシム塾FK編、遠藤&三都主に5か条 イビチャ・オシム監督(65)就任後2戦目で、初の公式戦となるアジア杯予選のイエメン戦を翌日に控えた15日、日本代表は新潟市内で練習を行った。オシム監督はMF三都主アレサンドロ(29)=浦和=、MF遠藤保仁(26)=G大阪=を3度呼び、セットプレーの細かな指示を与えた。長身選手が少ない相手に得点するヒントを5つ与え、就任後2連勝、公式戦初勝利を狙う。 練習が始まるというのに、オシム監督は2人と話し続けていた。遠藤と三都主だ。指揮官の手には図解説明するためのボードがあり、キックの動作をしながら10分以上も熱弁を続けた。 6対6の練習途中でも2人を呼び、練習後にもFW田中達、巻と4人を集めセットプレーの確認に念を押した。「(三都主と遠藤には)もっと走れという話をした」とオシム監督はごまかした。遠藤、巻、田中達は「言えません」と口をそろえたが、三都主が詳細を明らかにした。 オシム監督が2人に伝えたのはFK、CKのキッカーとしての心得だった。蹴る前の指示は 〈1〉「FKになったとき2人がなるべく近づいて2人で会話して(キッカーを)決めろ」 〈2〉「(リスタートは)早くボールを持って早くやれ」 〈3〉「(FWの選手と)アイコンタクトで動き出せ」。 千葉の教え子である阿部ではなく三都主、遠藤をキッカーとして高く評価しキッカーを任せた形だ。トリニダード・トバゴ戦でのFKでオシム・ジャパン1号を叩き出した三都主。遠藤はリーグ戦、A3杯などW杯後の公式戦9試合で2得点、5アシストという数字をセットプレーだけで記録している。 蹴るボールの質に対しても 〈4〉「合わせるよりそのまま入るようなボールを蹴れ」 〈5〉「(カーブ回転は)ゴールに近づいていくようなボールがいい」と詳しくアドバイスした。 流れの中でどんな状況でも対応できるように選手にヒントを与えてきたオシム監督。「いい場所でセットプレーのチャンスを得るためにはそれまでの流れのプレーを良くしないとならない」と語る。セットプレーの具体的な動きではなく、あくまで“ヒント”だったが、特定の状況について練習、指示をしたのは初めてだった。遠藤、三都主は居残りでボールを蹴り続けた。 相手は平均身長約170センチのイエメン。「日本にも平均身長で言えば彼らより低い選手が6人くらいいる。圧倒的な身長差があればセットプレーは有利になるが、果たして明日はどうでしょう」とオシム監督は話した。だが、世界中のサッカーを見て探求しているだけに、セットプレーからの得点が勝利のカギを握ると感じているに違いない。
練習が始まるというのに、オシム監督は2人と話し続けていた。遠藤と三都主だ。指揮官の手には図解説明するためのボードがあり、キックの動作をしながら10分以上も熱弁を続けた。
6対6の練習途中でも2人を呼び、練習後にもFW田中達、巻と4人を集めセットプレーの確認に念を押した。「(三都主と遠藤には)もっと走れという話をした」とオシム監督はごまかした。遠藤、巻、田中達は「言えません」と口をそろえたが、三都主が詳細を明らかにした。
オシム監督が2人に伝えたのはFK、CKのキッカーとしての心得だった。蹴る前の指示は
〈1〉「FKになったとき2人がなるべく近づいて2人で会話して(キッカーを)決めろ」
〈2〉「(リスタートは)早くボールを持って早くやれ」
〈3〉「(FWの選手と)アイコンタクトで動き出せ」。
千葉の教え子である阿部ではなく三都主、遠藤をキッカーとして高く評価しキッカーを任せた形だ。トリニダード・トバゴ戦でのFKでオシム・ジャパン1号を叩き出した三都主。遠藤はリーグ戦、A3杯などW杯後の公式戦9試合で2得点、5アシストという数字をセットプレーだけで記録している。
蹴るボールの質に対しても
〈4〉「合わせるよりそのまま入るようなボールを蹴れ」
〈5〉「(カーブ回転は)ゴールに近づいていくようなボールがいい」と詳しくアドバイスした。
流れの中でどんな状況でも対応できるように選手にヒントを与えてきたオシム監督。「いい場所でセットプレーのチャンスを得るためにはそれまでの流れのプレーを良くしないとならない」と語る。セットプレーの具体的な動きではなく、あくまで“ヒント”だったが、特定の状況について練習、指示をしたのは初めてだった。遠藤、三都主は居残りでボールを蹴り続けた。
相手は平均身長約170センチのイエメン。「日本にも平均身長で言えば彼らより低い選手が6人くらいいる。圧倒的な身長差があればセットプレーは有利になるが、果たして明日はどうでしょう」とオシム監督は話した。だが、世界中のサッカーを見て探求しているだけに、セットプレーからの得点が勝利のカギを握ると感じているに違いない。
オシムジャパン初公式戦、イエメンに2―0勝利 サッカー日本代表は16日、新潟スタジアムでオシム監督の就任後初の公式戦となるアジアカップ予選のイエメン戦を行い、2―0で勝った。日本は後半25分に阿部のヘディングシュートで先制。終了間際に佐藤寿が追加点を挙げ、ねばるイエメンを振り切った。 J1千葉、ガ大阪の選手も加え、ベストに近い国内選手をそろえた日本の布陣は4―4―2。先発メンバーは、GK川口、最終ラインに加地、坪井、闘莉王、駒野、中盤に三都主、鈴木、阿部、遠藤、2トップに巻、田中達が名を連ねた。 全員が自陣に引いて守りを固めてきたイエメンに対し、日本は立ち上がりから試合の主導権を握った。前半14分、左サイドの駒野のクロスから巻が放ったヘディングシュートは惜しくも右ポストをたたき、詰めた田中達のシュートはイエメンのGKサイードにはばまれた。 初戦のトリニダード・トバゴ戦で2得点を挙げた三都主もゴール前でのワンツーから立て続けにシュートを放ち、鈴木、遠藤らも中距離からゴールを狙いにいったが得点にはいたらず、前半は無得点のまま終了した。 後半から駒野に代えて羽生を投入した日本は、前半と同様に試合を支配した。 後半9分、ペナルティーエリア手前でパスを受けた田中達がバーをかすめる鋭いシュートを放てば、CKやFKからは闘莉王らが高さを生かしたプレーでゴールを狙い、イエメンを一方的に攻めた。 後半25分 日本 GOOOOOAL!! 三都主の右CKを、ニアに飛び込んだ阿部がヘディングシュート! たたきつけたボールがゴールに吸い込まれる。日本、待望の先制点 後半46分 日本 GOOOOOAL!! 右サイドからのFK。三都主が速いボールをゴール前に入れると、佐藤寿がヘディングシュート! GKがはじくが、リバウンドを自ら詰めて左足でシュートを決める。日本、終了間際に追加点