ガソリンの価格をめぐり、高速道路の給油所で街中より安くなる現象が起きている。ドライバーの間では、むしろ割高な印象が強かった高速でのガソリンだが、8月は上限価格がレギュラー1リットルで137円(沖縄を除く)。 一方、東京都内などの街中では今、140〜150円台に値上げする給油所が目立っている。この「逆転現象」は、高速道路特有の「上限制度」によるもので、原油価格の下落がなければ、8月いっぱいは続きそうだ。
高速道路のサービスエリアやパーキングエリアにある給油所は、高速道路会社から上限価格を設定されている。高速道路では給油所の選択肢が限られるため、不当な高値で販売されないよう、日本道路公団時代から続けられてきた。 旧公団の3高速道路会社では毎月、上限価格を設定。前月の第3週か第4週に経済産業省から発表される「給油所石油製品市況週動向調査」の全国平均価格を採用する。8月は1リットル当たりレギュラー137円、ハイオク148円、軽油114円となり、7月よりいずれも1円高となった。 市中の給油所では、石油元売り会社が卸値を引き上げたのに伴って値上げの動きが広がり、東京23区内ではレギュラー1リットルで140円台前半から150円台が目立つ。東日本高速道路は「少し前の価格データを使うので価格が上昇傾向の時は市中より少し安くなる。ただ下落傾向なら逆となるので、利用者にメリットがあるかどうかは、その時々による」と説明する。 <ガソリン価格>高速道路各社がリッター6〜8円値上げ
東日本、中日本、西日本の高速道路各社は9月1日から高速道路の給油所で販売するガソリンなどの上限価格を1リットル当たり6〜8円引き上げる。市中価格上昇に伴う措置で、高速道路での給油が町中より割安だった8月の逆転現象は、ひとまず終了する。レギュラーは144円、ハイオクは155円、軽油は120円となる。