宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2020年ごろに日本人が月面に着陸し、30年ごろには常時2、3人が長期滞在する独自の月面基地を建設する構想を発表した。東京都内で開かれた月探査に関する国際シンポジウムで明らかにした。今後10年間で無人探査機を3機程度打ち上げ、月面基地建設へ向けた基礎固めをしていく。
JAXAは来年、月を周回して調査する衛星「セレーネ」を打ち上げる。構想によると、セレーネの後継機の無人探査機を13年ごろに打ち上げ、月面着陸を目指す。15年を目標に、資源調査などを行う無人探査機も打ち上げる。一方、15年ごろまでに、日本独自の有人輸送機(宇宙船)の案も提示する。 月面基地には2、3人の日本人宇宙飛行士が滞在。居住棟に発電・蓄電システム、研究施設などが併設され、周辺には他国の月面基地が点在するイメージという。 月探査では、18年の月面着陸を目指す米が国際協力を呼びかけており、年内に「世界探査戦略」をまとめる予定。JAXAの月惑星探査推進チーム長の樋口清司理事は「国が輸送機の開発を認めれば、(月への)独自の輸送手段もありえる。そうでなければ、米の輸送機などに便乗して(月に)行く可能性もある」と話している。 また、小惑星「イトカワ」へ着陸した探査機「はやぶさ」の後継機も、早ければ2010年の打ち上げを目標に研究を進めていくことも明らかにした。イトカワとはタイプの違う小惑星を目指す。 ■ http://www.jaxa.jp/2025/index_j.html