青い模様の珍しい「ルリモンハナバチ」が、熊本県南阿蘇村で飛び始めた。熊本市出身の絵本作家、葉祥明(ようしょうめい)さん(60)の作品などを展示する阿蘇高原絵本美術館の立つ草原で見ることができるが、体長1センチ余り。気づかない人も多い。
02年に美術館ができたころ、葉さんの弟で館長の葉山祥鼎(しょうてい)さん(57)が見つけた。主に九州、本州、四国に分布。葉山さんは青いハチ「ブルー・ビー」が主人公の絵本も出している。 葉山さんは「架空のハチと思っている人が多いんです」。数は少ないが、8月いっぱい飛ぶ。「目と心を開けば、今まで見逃していた人も見つけられるかも」
選定理由 1970年代に京都市内で記録されたのみで、極めて珍しい種である。近年、京都市の市街地でも、また貴船、芦生でも記録されていない。絶滅が危惧される。 形態 体長13〜14mm。体は黒色で、青緑色の分枝した毛からなる斑紋がある。腹部の横帯は中央部で切断される。翅は基部を除いて褐色に曇る。
分布と生態的特性 本州、四国、九州、朝鮮半島、中国大陸、台湾に分布。秋に出現。ケブカハナバチ属Anthophoraなどの巣に労働寄生することが知られているが、詳細は不明である。従来より極めて珍しい種。
生息地の現状と保全対策 生息の現況などほとんどわかっていないが、寄主のケブカハナバチ類などの現況との関連で、生息状況を精査する必要がある。 その他 東北アジア固有種