セイコーエプソンは厚さ0.2ミリと紙並みの薄さの指紋認証センサーを開発した。2010年をメドに実用化することを目指し、クレジットカードや超薄型ディスプレーへの搭載を狙う。クレジットカードに指紋認証機能が付けば、紛失した場合でも第三者の悪用をほぼ防げるようになる。
指紋認証センサーは指の表面が発する微弱な電流を読み取ることで、指紋のパターンを認識する。本人の指紋を記録したメモリーや薄型の演算装置とともにクレジットカードに組み込めば、指紋で本人確認をしなければ有効にならない究極の「安全・安心カード」を作ることが可能になる。 指紋認証センサーは携帯電話やパソコンにも使われ始めているが、現在は部品の微細加工に限界があり、クレジットカードへの導入は難しかった。 エプソンは極薄のプラスチック基板上に回路を形成する独自技術で薄型化を実現した。今後カード会社などと用途開拓を進め、身分証明書や次世代の薄型ディスプレーなどへの搭載も狙う。