シンガー・ソングライター、さだまさし(54)の小説「眉山−BIZAN−」が、女優の松嶋菜々子(32)主演で映画化されることが20日、分かった。徳島を舞台に母娘の愛を綴った感動作で、松嶋の恋人役に大沢たかお(38)、母親役に宮本信子(61)を起用。劇中では約1万2000人のエキストラを集め、徳島名物「阿波踊り」を壮大に再現する。犬童一心監督で、来年初夏公開。
さだ小説の映画化は、1本のバイオリンがつなぐ母と子の愛を描いた「精霊流し」(平成15年公開)、徐々に視力を失う難病に侵された青年の恋を描いた「解夏」(同16年)に続いて3作目。 「眉山」も愛にあふれたさだ作品らしく、余命幾ばくもない母(宮本)の看病で徳島に帰郷した娘・咲子(松嶋)が、青年医師・寺澤(大沢)らに支えられながら母の生き方、素顔、娘に対する想いを知り、自分を見つめ直していく感動作だ。
東京の旅行代理店で働く咲子は、故郷の徳島で一人で暮らす母・龍子が末期癌であと数ヶ月の命と知らされる。ちゃきちゃきの江戸っ子で、気風のいい母は、「神田のお龍」として、沢山の人々から慕われてきた。徳島に滞在し、母を看取ろうと決心した矢先、咲子は、母が自分に言わずに「献体」を申し込んでいたことを知る。それはなぜなのか?やがて咲子は、母が残した箱から、まだ会ったことのない父のことと、母の想いを知っていく―。