サントリー先進コア科学研究所が遺伝子を操作し、人工的に黄色の花を咲かせることに成功したと研究所の小埜栄一郎研究員らと東北大が11日、米科学アカデミー紀要(電子版)に発表した。
小埜研究員らは、キンギョソウの花で、黄色を出す色素の「オーロン」を合成する酵素の遺伝子を突き止めた。色素の合成過程では別の酵素が必要なことも分かり、その酵素の遺伝子も特定した。 この2つの遺伝子を、青い花が咲くトレニア(ナツスミレ)に導入すると、黄色のトレニアが咲いた。 サントリーは、現在のところ商品化の予定はないとしているが、研究グループは「ゼラニウムやセントポーリアなど黄色の品種がない植物でも、黄色の花を咲かせることができるかもしれない」としている。 サントリーはこれまでに青いバラを咲かせることにも成功している。
ヤグルマギクは、赤いバラと同じ色素をもっているのに、花の色が青いのはなぜ?『ブルーローズ』:青いバラは存在しないのに!?約90年越しで探究が続いていたなぞを、武田幸作・東京学芸大名誉教授らが解明。11日付の英科学誌ネイチャーで発表した。