メディア大手の NBCUniversal と動画投稿サイト運営会社 YouTube は27日、戦略提携を結んだと発表した。NBC の秋シーズン番組ラインアップに YouTube ユーザーの関心を集めると同時に、YouTube におけるエンターテインメント体験を強化する。また両社は、YouTube のサービスと NBC の放送枠を用い、相互プロモーションでも連携する。
具体的な内容だが、NBC は YouTube サイトに『NBC Channel』を設け、今秋 NBC が放送する番組の予告や、人気ドラマ『The Office』の独占宣伝ビデオを掲載する。さらに NBC は今後1年間、ゴールデンタイムや深夜枠の番組から、毎週複数のビデオを NBC Channel にアップロードするという。 また NBC は、ドラマ The Office のプロモーションビデオ コンテストを YouTube サイト上で 開始 した。NBC は、同コンテスト参加を呼びかけるテレビ CM を放映する。なお YouTube は、サイト全体を通じて NBC コンテンツの宣伝を行なうことになっている。 調査会社 ForresterResearch のアナリスト Brian Haven 氏は今回の提携が持つ意味合いについて、若者が集まる荒っぽい場所に、保守的なブランド広告主をもたらすものと評した。 従来 YouTube などユーザー生成コンテンツサイトは、慎重な企業ブランド担当者にとって、あまりに世俗的で人間味が強過ぎる場所だった。 Haven 氏は取材に対し、次のように語った。「何十年にも渡って信頼を築き上げてきたブランドを持っているとしたら、若者が屋根から飛び降りて自分を痛めつけるような動画がある場所で、そのブランドを頻繁に露出したくない」 しかし同氏は、NBC と YouTube の提携が後押しとなり、保守的な広告主が上記のような不安を乗り越えるとの見方を示した。 「NBC のような大手がこうしたサイトに参加し、正当性を認めることにより、ほかの広告主にとっても広告を出しやすくなる」 確立したブランド広告主が抱く不安という側面を除けば、YouTube ユーザーは理想的なブランド広告ターゲットと言える。なぜなら、YouTube ユーザーのサイト滞在時間が長いからだ。 Web トラフィック計測を行なっている Hitwise が5月に発表した 調査報告 によると、YouTube ユーザーの平均滞在時間は13分以上だったという。 ■ YouTube