『涙そうそう』 妻夫木聡(25)と長沢まさみ(19)。若手演技派コンビが主演する映画「涙(なだ)そうそう」の撮影が26日、舞台の沖縄でクランクアップした。沖縄で生まれた聡&まさみから目を離せない。「いま会いにゆきます」を監督した土井裕泰が強く希望して実現した共演。
約2カ月をかけて兄妹愛を描いた。ほれ込む土井監督は早くもコンビ第2弾製作を希望。70年代に映画12本で共演した「三浦友和&山口百恵」へ通じる平成のゴールデンコンビ誕生を予感させた。
舞台は沖縄。義父の失踪、母親の死から、義父の連れ子のカオルと生きていくハメになった洋太郎。ひと足先に本島でひとり暮らしをしていた彼は、高校に合格したカオルとふたり暮らしを始めることに。だが喜びもつかの間、洋太郎は詐欺に遭ってしまい…。 物語自体はそれほど大きな起承転結があるわけではないし、どちらかといえば王道系な内容でもある。そんな中で何がおもしろいかといえば、血の繋がらない兄と妹のさざ波のような微妙な感情の揺れ具合。 家族としての愛、男女としての愛…そんなものが混ぜこぜでファジーな感覚で突き進み、相手のことを思いやるあまりに本音を言えない感覚がリアルに伝わってくる。そう、これは元来の日本人の美徳であった“思いやり”精神にあふれた映画で、久々の日本映画らしい日本映画なのだ。