理化学研究所は、米インテル、日本SGIと共同で、1秒間に1000兆回の計算を実行するスーパーコンピューターを開発、横浜研究所(横浜市)に設置したと発表した。 バイオ研究用の専用機のため汎用機と単純比較は難しいが、計算速度だけでみると米IBMが開発した汎用機「ブルージーン」の約3倍に相当し、世界最速という。
開発したスパコン「MDGRAPE―3」は、専用の大規模集積回路(LSI)4808個からなる。たんぱく質などの分子間に働く微妙な力を解析するための模擬実験(シミュレーション)が短時間で済む。新薬の開発期間を短縮でき、病気の原因解明に役立つという。 現在、世界最速とされるスパコンはIBMが開発し、米ローレンスリバモア研究所が持つ「ブルージーン」。専用機でも従来は毎秒75兆回の計算が限界だった。 スパコンを巡っては世界最速機開発で日米がしのぎを削る。文部科学省は2010年度を目標に、理研を中心に今回の10倍の演算性能をもつ毎秒1京回の計算が可能な汎用スパコンの開発を始めている。