ワールドカップドイツ大会、グループリーグF組の第2戦となるクロアチア戦に臨む日本代表のスターティングメンバーが発表された。初戦のオーストラリア戦で、1−3と痛恨の逆転負けを喫した日本は、決勝トーナメント進出の望みをつなぐためには、引き分け以上の結果が求められる。
12日のオーストラリア戦では3−5−2システムだった日本だが、クロアチア戦では攻撃的MFを2人にした攻撃的な4−4−2を採用。攻撃的MFには、小笠原と、微熱と右太ももの打撲でコンディションを崩していた中村が入る。また、4バックの右サイドには、5月30日のドイツとの親善試合で負傷しリハビリを続けていた加地が復帰。2トップには、高原と柳沢が入る。
またクロアチアは、初戦のブラジル戦で負傷したキャプテンのニコ・コバチが先発で出場する。
試合はニュルンベルクのフランケン競技場で22時00分(日本時間)キックオフ予定。
スターティングメンバーは以下の通り。
GK:23 川口能活
DF:21 加地亮、5 宮本恒靖(Cap)、22 中澤佑二、14 三都主アレサンドロ
MF:10 中村俊輔、7 中田英寿、15 福西崇史、8 小笠原満男
FW:9 高原直泰、13 柳沢敦
日本対クロアチア、0−0のまま前半終了=サッカー日本代表
サッカー日本代表は18日、ドイツのニュルンベルクでワールドカップ・グループリーグF組の第2戦でクロアチア代表と対戦し、両チーム無得点のまま前半を折り返した。
序盤は日本が中盤でパスを回してペースをつかんだ。右サイドの加地、左サイドの三都主が何度もオーバーラップし、ゴール前にクロスを上げた。しかし、相手ディフェンス陣にクリアされ、得点を奪うことはできなかった。
前半22分、DF宮本が相手FWプルショを倒してPKを献上したが、GK川口能活(30)が、左手一本でファインセーブ。初の勝ち点奪取へ向け、イレブンが後半に望みをつなげた。
大きく深呼吸し、ゆっくり腰を落とす。GK川口は、キッカーのMFスルナを見つめたまま、その目を離さない。そして、キッカーMFスルナのタイミングに合わせ、左に飛ぶ。左手一本-。ボールをエンドラインにかき出した。川口の左手に神が宿った。
その後、日本はクロアチアにカウンターを仕掛けられ、何度もシュートを打たれたが、川口が再三の好セーブで守り切った。
日本は前半、何度もシュートを放ったものの、ゴールをこじ開けることはできず、0−0のまま前半を終了した。
日本対クロアチア、0−0で引き分け=サッカー日本代表
サッカー日本代表は18日、ドイツのニュルンベルクでワールドカップ・グループリーグF組の第2戦でクロアチア代表と対戦し、無得点で引き分けた。
初戦で交代策を失敗したジーコ監督の動きは早い。後半頭からMFに稲本(ウェストブロミッジ)を投入。16分にはFW玉田(名古屋)、40分にFW大黒(グルノーブル)を次々と送り出した。
だが、中盤の頼みとする中田英(ボルトン)までもが単純ミスをするような苦しい状態の中、後半6分、日本が持ち味とする素早いパス交換から、FW柳沢(鹿島)が得た絶好機で簡単に押し込めなかったのは、最も痛かった。
息苦しいFW陣は、走ることを嫌い、足元でもらいたがる。でも、なるべく自陣から球を遠ざけたい中盤は、裏に走らせようとする。そんなぎくしゃくさも、気候によるものだった。
できることが限られている状況での戦い。MF中村(セルティック)は「日本は、すごいプレーをする選手がいるわけじゃないから、それぞれの一番いいところを出さなければいけなかった。それがうまくいかなかった」と振り返った。
試合は両チームとも決め手を欠き、そのまま0−0で引き分け。日本はクロアチアと勝ち点1ずつを分け合った。しかし、日本にとって今日の引き分けは、負けと同じ意味をもってしまった。得失点差でクロアチアより失点の多い4位とる。
この後行われる、ブラジルxオーストラリア戦で、ブラジルが3得点差以上でオーストラリアに勝ち、日本はグループリーグを突破するためには、22日第3戦のブラジル戦で勝つことが必須となった。
◆日本・ジーコ監督
「バランスが良くなかった。簡単なミスがあり、パス回しはできたが、ゴールにはたどり着かなかった。向こうもこっちもチャンスはつくったが、サッカーとはこういうもの。最後の試合に向け、顔を上げて戦いたい」
◆GK川口
「正直、勝てる試合だった。残り10分は足が止まった。そこでどれだけできるかが本物の選手。(ブラジル戦は)今までやってきたことをすべて発揮したい。足がつっても、グラウンドで倒れてもいい。チャンスがある限り、全力で戦いたい」
◆MF中田英
「勝てる試合をもう一度落としたという感じ。緩急をつけられず相手に合わせたペースになった。(1次リーグ突破の)可能性が残ったのはいいが、次こそ勝たなければいけない。同じ失敗を何度も繰り返せない」
◆MF中村
「加地やアレックス(三都主)が頑張ってくれたので、それを生かしたかった。次は勝つしかないんで、相手がブラジルうんぬんじゃない。勝つサッカーをしたい」
◆FW柳沢
「(決定機は)きょうはあれ1本だけだったが、うまくいかなかった。インサイドでければ、また違ったかもしれない」
◆DF宮本
「もちろん勝ちたかったが、可能性が残ったという感じ。PKを与えてしまったけれど、能活(川口)のセーブに助けられた。今日は運があるなと思った」
◆FW大黒
「点を取れなかったのですごく残念。0−0だったし、シュートを打たなあかんと思って入った。裏を狙っていければと思っていた。次は勝てるようにしたい」
◆FW玉田
「勝つのが一番いいが、負けなかったことを評価したい。ボールを持ったら自分で行こうという気持ちだった。(自分のプレーには)満足していない」
◆川淵三郎・日本サッカー協会会長
「相当大きな勝ち点1。まだ(次の)ブラジル戦に負けると決まったわけでない。引き分けはちょっと残念だが、合格点だ。ゴールが遠いが、このチームは逆境に立ったときの方が強い」
◆田嶋幸三・日本サッカー協会技術委員長
「可能性がある限りはあきらめるわけにはいかない。われわれのサッカーがまだできていない。最後はどちらも消耗してしまった。ただ、前の試合よりボールを大切にする意識は見えた」
第3戦は現地時間の22日21時(日本時間の23日4時)から、ドルトムントで行われる。
この話題のタイトルをいまさらながら後悔している、負けないではなく、勝つ!としなければならなかった。