フィンランド技術賞財団は6月15日 (現地時間)、青色発光ダイオードの開発者として知られる米カリフォルニア大学サンタバーバラ校(UCSB)の中村修二教授にミレニアム技術賞を贈ると発表した。同賞は人々の生活を豊かにし、経済的・社会的発展を促す優れた技術革新に対して贈られる。賞金は100万ユーロ。授賞式は9月8日にヘルシンキで行われる。
授賞理由は、「高輝度青色LED(発光ダイオード)など革命的な光源の開発」。賞金は100万ユーロ(約1億4000万円)、授賞式は9月8日にヘルシンキで行われる。
中村教授は、発明の正当な対価を求めて勤務していた日亜化学工業を訴えるなど、「闘う技術者」としても知られる。 発表文では同氏を「日本の技術の主流からはずれた場所から科学・技術のキャリアをスタートさせたユニークな経歴の持ち主」と紹介。「そのような環境も、同じ分野の研究者たちがほぼ不可能とみなしていた偉業を成し遂げるさまたげにはならなかった」と続けている。高輝度青色LED、緑色LED、青色レーザーダイオード、白色LEDなどの発表は、「トーマス・エジソンの白熱灯の発明に対比できる」と国際選出委員会のPekka Tarjanne委員長は述べている。 受賞理由として、発光半導体の研究開発を通じて新分野を立ち上げ、人々の生活の質を向上させる様々な用途に展開する条件を整えた功績を挙げている。LEDライトの省エネ効果のほか、光源のソーラーシステムでの利用、さらには紫外線LEDを利用した低コストかつ効果的な水の浄化プロセスの可能性にも言及している。 同賞は04年創設で、人々の生活の質を革新的に向上させた技術が対象。 ミレニアム技術賞の受賞候補者は、ミレニアム技術賞基金の規定に基づき、8名の国際選出委員により選考され、ミレニアム技術賞基金理事会に提案される。受賞者の最終決定は理事会が行う。 受賞者の発表は2年ごと。ミレニアム技術賞基金が設立されたのは2002年12月で、今回が2回目の授賞で、初回はインターネットの情報利用技術ワールド・ワイド・ウェブ(www)を発明したティム・バーナーズリー氏に贈っている。 ミレニアム技術賞 http://www.technologyawards.org/