横琴島に巨大リゾート「海市＝ミラージュ・シティ」

　
　　横琴島を「スーパー経済特区」にする広東省の構想と合わせ、横琴開発に注目が集まっている。この島は１９９９年１２月１０日に開通した蓮花大橋でマカオのコロアネ島・タイパ島とつながり、ポルトガルと結ばれた中国の島になった。しかし横琴島は同年９月２８日に横琴大橋が開通して、すでに中国本土とは結ばれていた。しかも１２月２０日にはマカオは中国へ返還されてポルトガル領ではなくなったので、「国境に架かる橋」はわずか１０日間でオシマイになった。
　
　
　このプロジェクトは、このほど開かれた「珠江デルタ経済貿易発展協議会」で明らかになったもの。サンズグループは「横琴ベネチアンリゾート・プロジェクト」として、5.8平方キロの敷地に巨大リゾートを建設。アジアで最も高いホテル商業複合ビル（約90階）のほか、40万平方メートルの「スーパー国際展覧会場」も建設、台山市には豪華ヨットクラブなども設置する。総投資額は160億HKドルに上る見込み。広東省で巨大娯楽事業に投資する唯一の大企業として、広東省内の期待も高いという。
　
　
　■最大15万人の雇用
　
　サンズは現在、事業化調査の一環として環境アセスメントを委託しているほか、国際土木コンサルタントのARUPにも調査業務を依頼している。当初計画では建設する高層ビル6棟のうち、ホテル客室を4,000室としていたがその後2万室に増やすことにしたため、そのうちの1棟を60階から約90階に伸ばすよう計画変更した。同ビルは、台湾の「台北101タワー」より高くなるという。巨大リゾート地として、珠海市の12万〜15万人の雇用も確保できる見通し。
　
　
　■「アジアのカンヌ」目指す
　
　関係者によると、中国政府は先に珠海市での国際映画祭を毎年慣例化させることを承認。それを機に、横琴島を「アジアのカンヌ」としても売り込みたい意向という。
　
　
　このほか、広東省発展・改革委員会は、横琴島を金融およびハイテク産業の一大ハブにする「スーパー経済特区構想」を持つ。自由港として、人民元オフショア業務を認め、優遇税制を導入することにより香港・マカオ企業の投資を促す狙いがある。
　
　
　横琴島は珠海南部にあり、面積は86平方キロメートルと、香港島よりもやや大きい島。広東省の張徳江書記が2004年、「拡大珠江デルタ横琴島経済特区」構想を発表している。