平安時代に高貴な宮廷女性が髪の手入れに米のとぎ汁を使用していた習慣に着目して研究した。米のとぎ汁をベースにしたダメージヘア改善成分「●(ゆする:さんずいに甘)エッセンス」を開発したと発表した。 同成分を配合したシャンプー、コンディショナーなどのヘアケア製品を新ブランドとして9月に市場投入する。は13日、米のとぎ汁成分を配合したシャンプーやトリートメントを今秋、発売すると発表した。価格はシャンプーで800〜1000円程度とやや高めの見通し。
とぎ汁が平安時代に女性の整髪に使われていたことに着目した。とぎ汁のまま髪につけると粉がふくため、胚芽(はいが)油など髪になめらかさやつやを与える成分だけを抽出した。 ヘアケアには、毛髪の表面滑り性、ツヤ、弾性という3種類の機能性が重要となる。そのため、植物油、タンパク質、アミノ酸などが使用されているが、3機能を1成分で達成するのは困難で、各種成分の組み合わせが研究されている。しかし、個々の成分は、混合すると効果を互いに打ち消し合うケースもあり、調整が課題となっている。 米のとぎ汁そのものでは、含有するデンプンなどにより、ヘアケア後、髪に粉がふき、好ましくない外観となるため、デンプンなどは取り除いている。新成分は、コメ胚芽(はいが)油、タンパク質、細胞の成長促進に不可欠なビタミンB群の一種であるイノシトール、抗酸化作用を持つフィチン酸などで構成。これら一連の成分を含んだ米関連の各種原材料を調達する。 資生堂の「TSUBAKI」は、日本で古くからヘアケアに用いられている椿オイルを配合成分のベースにしているのに対し、カネボウホームプロダクツは米のとぎ汁。この和成分の対決が、今秋、注目を集めそうだ。