グーグルは、ウェブを基盤とした表計算アプリケーションソフト「グーグル・スプレッドシート」「Google Spreadsheet」を発表した。インターネット上で表計算ソフトを利用できる無料サービスとなる。 今後、グーグルは3月にネット上で無料オンラインワープロ会社「ライトリー」も買収していることからも、ワープロ分野にも進出が予想され、マイクロソフトが収益源とする企業向けソフト分野で、本格的に競合することになる。
「グーグル・スプレッドシート」は当面、利用者を限定した試験運用となる。 グーグル・スプレッドシートではスプレッドシートの作成、書式変更、列ごとの並べ替え、数式の追加など基本的な機能がすべて使える。CSVあるいはXLS形式のスプレッドシートをアップロードしてインポートすることも可能だ。インポートしても数式や書式が変わることはない。 グーグル・スプレッドシートはWeb経由で利用でき、オンラインストレージに文書を保存できる。また文書を一度保存した後は、オートセーブが常時作動し、文書が変更されるたびにファイルが保存される。ユーザーは文書を自分のコンピュータにCSV、XLS、HTML形式で保存することもできる。 マイクロソフトの業務用ソフト「オフィス」に盛り込まれる「エクセル」と同様の表計算機能を持ち、ネット接続のパソコンがあればソフトを用意しなくても使える。グラフ作成はできないが、複数の人とのデータ共有に便利という。 無料オンラインワープロ会社のライトリーとスプレッドシートの組み合わせは、マイクロソフトの主力であるパソコン向けソフトウエア事業と競合するようになる可能性がある。現在は、マイクロソフトの「ワード」と「エクセル」がワープロ・表計算ソフト市場をほぼ独占している。 ウェブ基盤アプリケーションは飛躍的に増加しており、グーグルの参入もそのひとつとなる。この動きが長期的にはマイクロソフトのパソコン向けソフトウエア市場での支配を脅かす可能性もあり、マイクロソフトを独自のオンラインサービスへの投資に駆り立てている。 グーグルはネット上で利用できるワープロサービスの会社も傘下に収めている。マイクロソフトは新型オフィスの消費者向け発売を来年1月に控える。オフィスは世界で4億人が使う事実上の業界標準だが、グーグルの参入で価格など販売戦略にも微妙な影響を与えている。 ■グーグル・スプレッドシート登録ページでテスターを募集 登録したユーザーには先着順で招待が送られるという。 登録にはGoogle Accountが必要。 http://www.google.com/googlespreadsheets/try_out.html