2006年のドラマでは、有能な建築家だが、堅物な性格がアダとなりなかなか結婚できない男の役。40歳を過ぎ、いまだ独身という自分の境遇を重ねてか、「地でいけると思います」とノリノリだ。阿部をめぐり恋の火花を散らす3人の女性を夏川結衣(37)、国仲涼子(26)、高島礼子(41)が演じる。
「結婚できない男、ってオレのこと?」と阿部が言ったかどうか定かではないが、主人公の建築家、桑野信介役には思い入れたっぷり。撮影を楽しみにしている。
制作サイドによると、ドラマのタイトルは「結婚できない男」(仮題)だが、桑野は“結婚しない”“したくない”男という設定。収入もよく、パッと見は女性をひきつける魅力を持っていながら、偏屈で独善的な性格がたたり、女性たちが次々と去っていってもお構いなし。
物語はそんな桑野が、ひとりの女性・早坂夏美(夏川)と出会って徐々に変化を遂げていき、最後には見事結婚にたどりつく。「特命係長 只野仁」「鬼嫁日記」のコミカルな描写が人気だった尾崎将也さんの脚本だけに、大人のユーモアあふれるラブストーリーになっている。
ドラマを企画した関西テレビの安藤和久プロデューサーは「結婚とは何かを考えてもらえれば」と話す。また、阿部の起用については「人間のおかしさ、せつなさ、そして尊さを大人のユーモアを持って演じることのできる素晴らしい俳優さん。ぜひ、彼の演技を見たいと思った」と説明した。
阿部の連続ドラマ出演は、主演を務めた昨年7月期のTBS系「ドラゴン桜」以来ちょうど1年ぶり。安藤プロデューサーと脚本の尾崎さんは以前同局系で主演した「アットホームダッド」でコンビを組んだ仲だけに、「安心して作品に取り組めると思います。連ドラも1年ぶりなので張り切ってやっていきたい」と話している。
また、ドラマタイトルについて「なるほど…という印象を受けました(笑)。地でいけると思います」といい、「阿部寛という題材を使って、脚本の中で軽快に遊んでもらいたい」。“結婚できない”と茶化される未婚男性の代表として、心構えはできている。
■ 結婚できない男
第1話 「一人好きで悪いか」 7月4日放送
「キッチンを中心に発想すれば、住む人の快適な家になる−」。家族の温かみが感じられる家作りで、高い評価を得る建築家・桑野信介(阿部寛)。だが、その素顔は少々理屈っぽく皮肉屋という、やっかいな性格の40歳目前の独身男。そんな信介を事務所の助手・村上英治(塚本高史)や、仕事相手の沢崎摩耶(高島礼子)は、呆れながらも良き理解者としてサポートしている。
ある日、部屋でひどい腹痛を起こした信介は、偶然居合わせた隣人の田村みちる(国仲涼子)に助けられ救急車で病院に運ばれることに。「じゃ、ズボンと下着取って下さい」。診療にあたった美人当直医の早坂夏美(夏川結衣)の言葉に、「・・・なんか、もう治ったかな・・・」と逃げ腰になる信介。押し問答の末、強引に退院してしまう。
数日後、友人で義弟の中川(尾美としのり)とバーで落ち合った信介。ふと今日が自分の40歳の誕生日だと気づく。部屋にひとり帰り、コンビニで買ったバースディケーキを食べながら仕事していると、みちるの様子がおかしいと同僚・千鶴(SHEILA)が助けを求めてきた。「何で俺が…」と言いながらもベランダ伝いにみちるの部屋に様子を見に行くと、部屋の中で倒れているみちるを発見。今度は信介がみちるに付き添って救急車に乗り込み・・・
「結婚できない男」初回視聴率20.2%で好スタート
俳優、阿部寛(42)主演で、4日にスタートしたフジテレビ系「結婚できない男」(火曜後10・0)の初回視聴率が20.2%(ビデオリサーチ、関東地区調べ)と好スタートを切ったことが5日、分かった。関東地区の火曜午後10時枠では、歴代3位の高視聴率となった。
初回は15分拡大で、瞬間最高視聴率は、午後11時6分の25.4%。阿部が腹痛で訪れた病院で女医(夏川結衣)にパンツとズボンを下ろされ、“尻出し”した直後だった。
ドラマは、コメディータッチの大人のラブストーリー。安藤和久プロデューサーは「今後もさらに、皆さんも一緒にうなづいて頂けるエピソードがたくさん出てきますので、ご期待ください」。
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結婚できない男 DVD-BOX
“結婚できない男”阿部寛が結婚!
「『結婚できない男』が、結婚できることになりました」。“最後の独身大物俳優”阿部が、自分が主演したドラマを引き合いに出し、プライベートにけじめをつける決意を口にした。
会見は東京・六本木のテレビ朝日で行われ、金屏風(びょうぶ)の前で、満面の笑みを浮かべて結婚を報告した。阿部のハートを射止めたのは28歳の一般女性。4、5年前に共通の友人の食事会で出会い、約1年半前に再会した際「落ち着いていていい子だな」とメールを送り、交際に発展した。
約半年前に「機が熟したかな」と結婚を意識。8月に都内で食事した時「結婚してください」とプロポーズし、彼女も「はい」と喜んで返事してくれたという。
阿部は「自然体で、温和な感じで常にドンとしていてくれる。年齢差はありますが、価値観が合う。和みますし、支えになります。そういうところが一番好きです」と、人生の伴侶(はんりょ)の魅力を明かした。
会見にはスケッチブックを持参。自ら描いた似顔絵と、テレビ局の美術スタッフに描いてもらったものの2枚を披露した。目鼻立ちのハッキリとした美人で、第一印象を「きれいな人だなって」とノロけた。
近年はドラマや映画で主演を多く務めるなど、順調な仕事ぶりで多忙を極めるが、「ドラマとか仕事の話を聞いてくれる。相談に乗ってくれたり、素人なりの意見をくれるので、それが一番仕事の上での力になっている」とも明かした。プロポーズ後、すでに都内のマンションで一緒に生活している。「これからゆっくり、味わっていきたい」と“新婚生活”を満喫していく考えだ。
オメデタはまだ。スケジュールを見計らって今後入籍する意向で、挙式・披露宴は来年春に親族のみで行うという。
昨年、フジテレビ系「結婚できない男」で偏屈な性格から独身が続く40歳男性という役柄を好演した阿部。当時42歳独身で役とダブった面もあり、ハマリ役と話題になったが、実生活では静かにゴールインへの道を歩んでいた。
■阿部寛(あべ・ひろし)
本名同じ。昭和39年6月22日、横浜市生まれ。中央大在学中に「メンズノンノ」の専属モデルとなり一躍人気に。62年に映画「はいからさんが通る」で俳優デビューし、平成2年にテレビ東京系「ぼくが医者をやめた理由」でドラマ初主演。来月公開の映画「魍魎の匣」に出演。趣味はテニス、古武道。1メートル89。血液型A。
★阿部に聞く
――結婚の決め手は?
「(年齢が)40過ぎだし、周りの同じ仕事をしている俳優さんもみんな結婚していますし。自分も別に結婚しない主義じゃないので」
――15歳上だが?
「非常にしっかりした考え方を持っているので、年齢差を感じたことはない。一番信頼して意見が聞ける人です」
――同居して幸せ?
「よくウチに泊まりにきていたんで、新鮮な感じはないですね」
――彼女にはどう呼ばれている?
「名前で、ヒロシくんと呼ばれています」
――けんかは?
「たまにします。(テレビの)チャンネルを争ったりとか。まあ、ボクが折れますね」
――なぜ、今まで結婚しなかった?
「キツイ質問ですね。30歳すぎて仕事が順調にいき始めて俳優の仕事に恋していました」
――彼女にはどこが気に入られた?
「聞いたことなかったですね。あんまりしゃべらないほうなんですけど、なんか面白いって言われています…」
――父親は喜んだ?
「電話(で報告)したら大きくため息をついて『安心した』と言ってました」
――相手の両親へのあいさつは?
「温かく迎えてくれました。後半は酔っぱらってしまい、あまり覚えてないんですが(苦笑)」
★上戸が祝福「うらやましい〜」
「アベちゃん、おめでと〜!」。女優の上戸彩(22)がこの日夜、都内の仕事先で、阿部の結婚を祝福した。
平成14年7月放送のTBS系連続ドラマ「マイリトルシェフ」で共演。「ドラマでお世話になりました。とてもいい人なので、お嫁さんがうらやましい〜。お幸せに!」と語った。
上戸は仏ファッションブランド「ラコステ」のショーの招待客として全身ラコステの服で来場。ショーで気に入った品を「プレゼントしたいな」と発言したが、「誰に? 地元の親友です」と報道陣をガックリさせた。
◆テレビ朝日系ドラマシリーズ「トリック」で共演した女優、仲間由紀恵(28)
「『結婚できない男』…だと思っていた阿部さんがまさか…。何年も一緒にコンビを組ませていただいてますが、突然のニュースに本当に驚きました! でも私は、現場でいつも周りに気を使って皆さんから愛される阿部さんがこうして『桜』を咲かせる日が来るのを、もちろん、まるっとお見通しでした! どうぞ、末永くお幸せになってください」
ドラマ「トリック」で共演した仲間由紀恵(28)から「自分も同じ28歳なのに誘われなかった・・・」と周囲に話していることを知ると「余計なことを・・・」と苦笑。「すみません」と謝った。
◆フジテレビ系ドラマ「結婚できない男」で共演した女優、国仲涼子(28)
「ご結婚おめでとうございます! あのドラマ(結婚できない男)から1年後に、ご結婚と聞いてすごく驚いています。阿部さんが持っている大きな優しさで、すてきな家庭を築いてください」