本当に怖い国民的「微」症状…“へそ肥満”に気をつけろ。外見はさほど太っていないのに、実は内臓に脂肪がたっぷり。腹囲が85センチ以上の男性、90センチ以上の女性は要注意!あなたは『メタボリックシンドローム』の危ない世界に入っているかもしれません。“へそ肥満”が動脈硬化へ進む可能性を高める。命にかかわる病気へつながる怖い領域です。
いかにも怖そうな「メタボリックシンドローム」という呼称。これは「食べ過ぎ」「運動不足」などが原因で内臓の脂肪が過剰に蓄積。これが”犯人”となって「高脂血症、高血圧、糖尿病」などの”危険因子”が重複すると、「狭心症、心筋梗塞、脳梗塞」など動脈硬化のリスクが高まることをいう。
メタボリックシンドロームの診断基準 内臓脂肪の蓄積が必須条件。選択項目のうち2つ以上に当てはまる場合、メタボリックシンドロームと診断される。 ◆必須項目 内臓脂肪蓄積 へその高さの腹囲:男性85センチ以上、女性90センチ以上 ◆選択項目((1)〜(3)のうち、2項目以上) (1)脂質 中性脂肪150mg/dl以上、 またはHDLコレステロール40mg/dl未満 (2)空腹時血糖 110mg/dl以上 (3)血圧 収縮期血圧130mmHg以上、または拡張期血圧85mmHg以上 ◆肥満のタイプ ・りんご型 上半身肥満…特にお腹とその周囲に脂肪がつく。 多くは生活習慣病になりやすい「内臓脂肪型肥満」 ・洋ナシ型 下半身肥満…下腹やもも、お尻に脂肪がつきやすい。 女性に多く、ほとんどが「皮下脂肪型肥満」
世はグルメブーム。つい食べ過ぎ&便利生活で、体を動かさない人は多いはず。気づいたときは坂道を転がり落ちていた、なんてことにならないように、別表のチェックリストで、しっかり自己診断してみてください。
“食べ過ぎ症候群”の自己診断リスト メタボリックシンドロームの予備軍 □1 お腹いっぱいになるまで食べないと、我慢できない □2 一日3食とは別に、間食を食べる □3 夜、寝る前に冷蔵庫を開けてしまう □4 20歳の頃より、ズボンのウェストが太くなった □5 甘いもの好き。まんじゅうやケーキに手が伸びる □6 毎晩、ビールを飲んでいる □7 酒を飲む時、一緒につまみを食べる □8 昼食は10分以内で食べ終わる □9 栄養バランスを気にせず、好きなものばかり食べる □10 テレビを見ながら食べるなど、別のことをしながら食事をしている チェック項目が6個以上 要注意 チェック項目が8個以上 危険信号 チェック項目が10個 健康診断を受けなさい! (監修・(独)国立健康・栄養研究所 渡邊昌理事長)
『体重』 BMI<25 BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m) 例:身長1m60cm(1.6m)、体重64kgの場合 BMI=64÷1.6÷1.6=25 BMI25〜29.9 肥満度1 BMI30〜34.9 肥満度2 BMI35〜39.9 肥満度3 BMI40以上 肥満度4
『運動習慣の徹底』 ・日常生活における歩数(1日当たり) 男性 9200歩以上 女性 8300歩以上 ・運動の習慣化 1回30分以上の運動を週2
『食生活改善』 ・脂肪によりエネルギー摂取 25%以下(20〜40歳代) ・食塩摂取量の減少 10g未満/日 ・野菜の摂取量の増加350g以上/日
(資料・厚生労働省) メタボリックシンドローム改善リスト・食事編 「腹8分目和食」 (1)一日の総摂取カロリーは約1600〜1800カロリー (2)油脂類を避ける…揚げ物や油、スナック菓子はNG (3)ゆっくり噛む…脳の視床下部にある満腹中枢に満腹信号が届くのは食事開始から最低約15分後。特に血糖値を上げるもとになるご飯はゆっくり食べること (4)主食はご飯…腹持ちの良く、副菜の味を引き立てる、パン食より減塩に役立つ (5)主菜は魚または肉。手のひらに収まる量=60〜80グラムが適量 (6)和食が基本…副菜は野菜、大豆、きのこ、海藻がお勧め (7)規則正しく一日3食…生活リズムが不規則だと食事時間も乱れ、体のリズムが崩れて食べ過ぎる (8)3食で均等カロリー…朝、昼の摂取カロリーを減らして夕食をたっぷり摂ると、夜中に血糖状態が続くのでNG。昼は活動するので食べた分のカロリーを消費しやすい (9)薄味の味付け…塩分をとり過ぎないように、だし汁を上手に使う (10)外食は半分残す覚悟…油、カロリーが高く塩分も多い。味付けも濃い メタボリックシンドローム改善リスト・運動編 「夕食後30分ウオーク」 (1)通勤は歩きやすい靴を履く (2)背負いかばんやリュックサックで姿勢正しく (3)有酸素運動を20分以上継続…ウォーキングやジョギング、水泳など。体脂肪を燃焼させ、カロリー消費を促すのは開始20分後から (4)夕食の30分後から、30分ほどの運動は効果あり (5)休日はハイキングや登山など、少し激しい運動 (6)できる範囲で体を動かす…足もみ、節の部分をさするなど (7)毎日体重や腹囲をはかる…決まった時刻に計って記録して意識 (8)〜ながら運動の実施…テレビを見ながら準備体操、足踏み、ストレッチ、自転車こぎ
生活習慣病とメタボ腹「関連強くない」…厚労省研究班 メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の診断基準は、腹囲が男性85センチ以上、女性で90センチ以上あることを必須条件としているのに対し、単に腹囲が大きいだけでは生活習慣病の危険要因としては不十分という調査結果を、下方浩史・国立長寿医療センター(愛知県大府市)研究所部長を班長とする厚生労働省研究班がまとめた。 メタボ基準を巡っては、男性の腹囲が女性より厳しいことなどについて異論が続出しており、今回の結果も見直し論議に一石を投じそうだ。 研究班では、無作為に選んだ愛知県内の40〜82歳の男女3253人について、内臓脂肪の断面積をコンピューター断層撮影法(CT)で計測。内臓脂肪面積が100平方センチ以上の肥満の人とそれ未満の人で、2000年から6年間、心臓病や脳卒中を引き起こす動脈硬化の進み具合を、心臓の冠動脈や脳血管の梗塞(こうそく)の有無など6項目で比較した。 肥満の人は、そうでない人に比べ、動脈硬化のある人の割合が、心臓の冠動脈は女性では約1・2倍だが男性では差がみられず、脳内の細い血管は男性は約1・2倍だったが女性では差はあまりなかった。6項目すべてで差は1・5倍未満にとどまり、「全体として関連はそれほど強くない」(下方部長)と分析された。 メタボの基準では内臓脂肪面積が100平方センチ以上の場合に危険が高まるとして、それに該当する腹囲(男性85センチ以上、女性90センチ以上)が定められた。今年度始まった「特定健診」(メタボ健診)では、腹囲が基準を超えていなければ、血圧、血糖値、脂質のすべてに異常があっても、指導の対象にならない。
メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の診断基準は、腹囲が男性85センチ以上、女性で90センチ以上あることを必須条件としているのに対し、単に腹囲が大きいだけでは生活習慣病の危険要因としては不十分という調査結果を、下方浩史・国立長寿医療センター(愛知県大府市)研究所部長を班長とする厚生労働省研究班がまとめた。 メタボ基準を巡っては、男性の腹囲が女性より厳しいことなどについて異論が続出しており、今回の結果も見直し論議に一石を投じそうだ。
研究班では、無作為に選んだ愛知県内の40〜82歳の男女3253人について、内臓脂肪の断面積をコンピューター断層撮影法(CT)で計測。内臓脂肪面積が100平方センチ以上の肥満の人とそれ未満の人で、2000年から6年間、心臓病や脳卒中を引き起こす動脈硬化の進み具合を、心臓の冠動脈や脳血管の梗塞(こうそく)の有無など6項目で比較した。
肥満の人は、そうでない人に比べ、動脈硬化のある人の割合が、心臓の冠動脈は女性では約1・2倍だが男性では差がみられず、脳内の細い血管は男性は約1・2倍だったが女性では差はあまりなかった。6項目すべてで差は1・5倍未満にとどまり、「全体として関連はそれほど強くない」(下方部長)と分析された。
メタボの基準では内臓脂肪面積が100平方センチ以上の場合に危険が高まるとして、それに該当する腹囲(男性85センチ以上、女性90センチ以上)が定められた。今年度始まった「特定健診」(メタボ健診)では、腹囲が基準を超えていなければ、血圧、血糖値、脂質のすべてに異常があっても、指導の対象にならない。