日本通信は、銀行や証券会社、オンラインショッピング企業向けの専用線サービス「PWLL(Personal Wireless Leased Line、プエル)」を発表した。同サービスを採用した企業は、エンドユーザー向けに専用線サービスを提供可能になる。
今回発表された「PWLL」は、同社が「パーソナル専用線」と呼ぶ専用線サービス。従来は銀行のATMや証券取引端末、企業間などで利用されている専用線サービスを、専用のデータ通信カードやPC向けソフトにより、無線で実現するというもの。インターネットを介さない接続を実現することでセキュアな環境を提供できるとしている。 エンドユーザー向けの具体的なサービスは、PWLLを採用する企業から提供されることになる。基本的にノートPCでの利用を想定しており、電話番号が付与された専用のデータ通信カード、PC向けソフトが提供され、PWLL利用時に起動できるアプリケーションはサービス提供企業が用意したものだけになる。データ通信カードはPHSのほか、3Gサービスへの対応も予定されている。 例えば、ある銀行がPWLLを採用したエンドユーザー向けのオンラインバンキングサービスを提供する場合、銀行からPWLLを利用するためのデータ通信カード、PC向けソフトおよびオンラインバンキングソフトウェアがエンドユーザーに提供される。 PWLLでオンラインバンキングを利用している間は専用線以外の通信が行なえないほか、ほかのアプリの起動も制限され、オンラインバンキング専用のPCといった状態になる。PWLLを利用するためのソフトを終了すれば、PCは通常通りの利用が可能。専用のデータ通信カードはPWLLを採用するサービスごとに用意される。 PWLLの1エンドユーザーあたりのコストは、データ通信カードの提供数などにより異なるものの、従来は月額数万円で提供されている専用線に比べて50〜100分の1の価格に抑えることが可能という。