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April 22, 2006 space
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国立天文台「謎の彗星見えるかな?」キャンペーン

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シュヴァスマン・ヴァハマン第3彗星が地球に最接近します。5月12日の前後の期間には、肉眼でも見えるかもしれないと期待されています。国立天文台では、ゴールデンウィークにあわせて、「謎の彗星見えるかな?」キャンペーンをおこなうことにしました。2006年5月2日の夜から5月8日の朝までの6晩に、肉眼や双眼鏡などでシュヴァスマン・ヴァハマン第3彗星を観察し、このキャンペーンページから報告していただく、というものです。
 

sw3_sendais.jpg

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 シュヴァスマン・ヴァハマン第3彗星の謎とは
 
 シュヴァスマン・ヴァハマン第3彗星(73P/Schwassmann-Wachmann)は、1930年に、ドイツのシュヴァスマンさんとヴァハマンさんによって発見された小さめの彗星です。
 
 
 5.4年の周期で太陽を一回りする短周期彗星で、ゆがんだ軌道のため、遠いときは木星の軌道付近まで離れますが、近いときは地球軌道の少し内側にまでやってきます。そのため、タイミングによっては、彗星が太陽に近づく頃に、地球にも大接近します。1930年の発見時にも、地球に0.06天文単位にまで近づいていました。ただし、タイミングが合わないと、小さい彗星ですので、なかなか見えません。そのため、1979年に再発見されるまで、なんと半世紀にわたって、行方不明となっていた謎の彗星なのです。
 
 
 他にも謎があります。1995年に太陽に近づいたときには急激に明るさが上昇し、その後、彗星の核が3つに分裂しているのが観測されたのです。汚れた雪玉とも言われる彗星は、太陽の熱で融け蒸発していく間に、核が分裂してしまうことがよくあります。なかには、2000年のリニア彗星のように、ばらばらにくだけた破片がすべて蒸発してなくなってしまうものもあります。
 
 
 シュヴァスマン・ヴァハマン第3彗星(以下、SW3彗星)の場合、2000年に太陽に近づいたときには、3つに分裂した核のうち2つが戻ってきたのが確認され、新しい破片も発見されました。そして、今年の3月には、新たに4つの核が発見されました。さらに、4月6日の時点では、破片の数は数十個にもなっていることが確認されました。どんどん分裂を繰り返しているようで、もしかすると、今回も皆さんが眺めている最中に、また分裂していくかもしれません。分裂が起きると、急に明るくなることもありますので、注目したいところです。
 
 
 ただし、ほとんどの破片はとても小さいので、いちばん明るい「C核」と呼ばれる核を観察してみましょう。
 
 
 シュヴァスマン・ヴァハマン第3彗星の名前について:
 
 この彗星の正式名称は 73P/Schwassmann-Wachmannです。発見者がドイツ人であることから、ここでは「シュヴァスマン・ヴァハマン」と表記しています。英語圏では、「シュワスマン・ワハマン」と発音されることも多く、そのような表記も長い間使われてきています。
 
 
 シュヴァスマン・ヴァハマン第3彗星はどこに見える?
 
 シュヴァスマン・ヴァハマン第3彗星は、5月12日、地球に0.08天文単位にまで近づきます。予想通りに明るくなっていけば、5等から4等級くらいになり、空が暗いところならば肉眼でも見えるかもしれない、と期待されています。しかし、13日が満月のため、ちょうどこの頃は月明かりがあり、彗星のようなぼうっとした天体は見えにくくなります。できれば、ゴールデンウィーク頃の、月明かりのないときに眺めてみるとよいでしょう。
 

positions.jpg

 
 5月上旬は、夜8時には、SW3彗星は東北東の空で見えています。そして、そのまま夜が明けるまで一晩中見えています。午前3時頃には真西の方向、高さ80度ほどのところにあります。
 
 
 SW3彗星の位置を星図に示しました。図は5月上旬0時頃、東の空の高いところにあるヘルクレス座付近の様子を表したものです。彗星の位置は、2006年5月1日から5月8日までの、それぞれの日の0時における位置です。違う時刻に見ると、少し移動しているはずです。(図をクリックすると大きな画像をみることができます。)
 
 
position2s.jpg SW3彗星は、毎日少しずつヘルクレス座の中を移動して、キャンペーン期間の終わりには、こと座の1等星ベガに近づきます。もし、ヘルクレス座がすぐに見つからないようでしたら、うしかい座の1等星アークトゥルスとベガの間あたりを双眼鏡で探してみましょう。空が暗いところならば、肉眼でも見えるかもしれません。うしかい座のアークトゥルスなどがどこに見えるのかは、図「5月上旬0時頃の東京の星空」をご覧ください。なお、近くには球状星団M13があります。小口径の双眼鏡や望遠鏡では、M13もぼうっとした姿で見えますので、星図で位置をよく確認して、見間違わないように気をつけましょう。
 
 
 その他のコツ
 
 見る場所日本全国、どこでも見ることができます。(日本以外の国でも見ることができます。)できるだけ大都市から離れ、近くに街灯など人工の明かりがない場所を選びましょう。
 
 SW3彗星は、大都市や街灯の明かりに比べてとても弱い光しか出していません。人工の明かりの影響があると、それに邪魔されて、彗星がとても見えづらくなります。
 
 
 見る時刻と時期
 
 日が沈んで暗くなる夜8時には、SW3彗星はすでに空に見えています。一晩中観察できますが、午前3時を過ぎると、空がだんだん明るくなってきますので、淡い彗星は見えなくなります。
 
 また、キャンペーン期間中でなくても、2006年の4月末から5月いっぱいは、双眼鏡で見えるくらいの明るさだと思いますので、キャンペーン期間前に彗星を探してみたり、キャンペーン期間が終わっても、移動していく彗星を観察し続けるのも面白いでしょう。
 
 
 目を慣らす
 
 明るい場所から暗い場所に出て、10分以上は暗さに目を慣らしましょう。SW3彗星の光はたいへん淡いですので、暗さに十分目を慣らさないと、見るのがなかなか難しいと思われます。双眼鏡や望遠鏡を使う場合でも、やはり目が暗さになれているほうが暗い部分まで見えますので、より楽しめるでしょう。
 
 SW3彗星のように淡い天体の場合、彗星のある位置をまっすぐに見つめるより、目を少しそらし気味にしたほうがよく見えることがあります。視野の中心には、色の判別が得意ですが暗い光の苦手な細胞があり、視野の周辺には、色の判別は苦手ですが暗い光の得意な細胞があるためです。まっすぐに見つめずに注意だけを向けるというのは、慣れないとなかなか難しいのですが、やっているうちに慣れてくると思います。
 
 
 寒さ対策
 
 5月とはいえ、夜は冷え込むことがあります。特に、夜に何十分も屋外でじっとしていると、だんだん体が冷えてきます。普段よりも厚着をしたり、カイロなどを用意しておくのもよいかもしれません。
 
 
国立天文台:シュヴァスマン・ヴァハマン第3彗星
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HOMENews BlogsSpace | April 22, 2006 |  twitter Livedoor Buzzurl はてな Yahoo!ブックマーク人が登録
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