JR東日本は11日、水素と酸素を化合して動力にする「燃料電池車両」の開発計画を発表した。7月に試作車両を完成させ、来年4月から試験走行を始める。燃料電池で動く鉄道車両は世界で初めてといい、電力を供給する架線がなくても走行が可能という。
燃料電池車両は、水素をタンクに積み、大気中の酸素と化合させて発電する。1両編成で、最高時速は100キロ。余った電力は車体の蓄電池に回収し、省エネに役立てる。
JR東日本は、ディーゼル発電機と蓄電池を組み合わせた「ハイブリッド気動車」を03年に完成させ、来年7月に小海線の小諸(長野県)―小淵沢(山梨県)間で営業運転を始める予定。同社はこの気動車を改造して燃料電池車両を試作する。
自力で発電するため架線がいらなくなるほか、気動車と違って排ガスも出ない。ただ、現在のタンク容量では連続で50〜100キロ程度しか走れないという。
JR東日本は燃料電池車両の製造費を明らかにしていないが、実用化するには1両数億円程度までコストダウンを図る必要がありそうだ。