NTTドコモは、テレビやラジオで流れる音楽などに乗せて、URLなどのテキストデータを携帯電話に向けて配信する技術「音響OFDM」を開発したと発表しましたが、これが実現できれば音楽を聞いているとどこのサイトに行けばいいのかQRコードのようにサイトアクセスも可能になります。
音響OFDMは、無線LANなどで使われているOFDM変調技術を音楽や音声などに適用することで、1kbps以上の伝送速度を実現する新技術。URLをはじめ、100文字程度のテキストを約1〜2秒間で伝送できる。NTTドコモの先端技術開発拠点「NTTドコモ R&Dセンタ」が開発した。
利用シーンとしては、テレビやラジオの放送中に番組関連サイトのURLなどを音楽や音声に乗せて提供し、視聴者が携帯電話でURLを取り込むといったものから、災害時に公衆スピーカーで避難場所を案内するとともに、避難場所のデータを端末に送るといったものまで、幅広い展開が検討されているという。このほか、駅やバス停留所での音声案内に合わせて運行情報を送信したり、ショッピングセンターなどでトルカクーポンを音声で提供したりすることも考えられるという。
技術的な仕組みは、音楽や音声などのオーディオ信号の高周波数部分をカットし、OFDM変調したURLなどのデータをカットした周波数部分に合わせて調整、音声データと合成するというもの。オーディオ信号の分布に合わせることで、OFDM変調による聴覚上の影響を低減している。
なお、開発された技術は、現在デモンストレーションが行なえるようになった段階。ドコモでは、実用化に向けて今後も研究開発を続けるとのことだが、実用化の時期については未定としている。