20世紀中ごろの米国の民衆の喜怒哀楽を描いて人気のあった画家ノーマン・ロックウェル(1894〜1978)の最も有名な作品の一つ「息子の旅立ち」(54年)が、長く同作品として飾られた絵の後ろの壁の中から出てきて、美術関係者を驚かせている。
絵はサタデー・モーニング・ポスト紙の表紙のために描いた。ロックウェルの友人でイラストレーターのドン・トラクティーさんが所有し、長く米国バーモント州サンドゲートの自宅に絵を飾っていたが、昨年死亡した。 ニューヨーク・タイムズ紙によると、トラクティーさん宅に飾られた作品については、絵の専門家が新聞の表紙と比べて少年の顔の表情や色合いが違うと指摘していたが、保存状態が悪いためだとされていた。今年3月、トラクティーさんの息子が父親宅の壁の裏に隠された壁を見つけ、オリジナルの絵が出てきたという。
「サンタの旅行計画」1939 彼が最も多く残したモチーフ、サンタ。 子供の頃誰もが信じた、架空の人物でありながら、今でもサンタは世界中のアイドルである。 それはプレゼントを持ってきてくれるからではなく、「夢」を配ってくれるからなのだろう。 必死で道順を考えるサンタの姿は、真っ白なカンバスを前に髪をもみくちゃにして悩むロックウェルの姿に重なる。
トラクティーさんは70年代に離婚し、財産分与をめぐる争いがあったという。このころに本物を自分の元に置いておくために複製を描き、壁を仕立てて本物を隠したのではないかとみられている。同紙によると、本物は時価500万ドル(約5億9000万円)の価値があるという。オリジナルと複製はともに同州ストックブリッジにあるノーマン・ロックウェル博物館に展示される。
壁に隠したロックウェルの絵、17億8千万円で落札 米国の市民生活の哀歓を描いた画家ノーマン・ロックウェル(1894〜1978年)の代表作の一つ「息子の旅立ち」(54年)が29日、ニューヨークで開かれた競売で1542万ドル(約17億8000万円)で落札された。 この絵は友人の男性が60年に900ドル(約10万4000円)で購入。その後、自身で複製を描いて飾り、本物はその後ろの壁の中に隠した。離婚をめぐる財産分与の争いで奪われることを恐れていたらしい。 この男性は真実を伏せたまま昨年、死亡したが、専門家が「本物と違うのでは」と指摘したこともあり、息子が改めて家を調べたところ、隠し場所が見つかったという。46年前の購入時に比べると額面で約1万7000倍の値がついた。
米国の市民生活の哀歓を描いた画家ノーマン・ロックウェル(1894〜1978年)の代表作の一つ「息子の旅立ち」(54年)が29日、ニューヨークで開かれた競売で1542万ドル(約17億8000万円)で落札された。 この絵は友人の男性が60年に900ドル(約10万4000円)で購入。その後、自身で複製を描いて飾り、本物はその後ろの壁の中に隠した。離婚をめぐる財産分与の争いで奪われることを恐れていたらしい。 この男性は真実を伏せたまま昨年、死亡したが、専門家が「本物と違うのでは」と指摘したこともあり、息子が改めて家を調べたところ、隠し場所が見つかったという。46年前の購入時に比べると額面で約1万7000倍の値がついた。