ビル増えて夜寝苦しくなった。気象庁が熱帯夜を解析した。寝苦しい熱帯夜は建物の増加が“主犯”――。関東地方で夏場に気温が上昇するヒートアイランド現象について、気象庁がコンピューターを使った模擬実験で解析したところ、こんな結果が出た。
気象庁によると、夜間の高温は日中の日差しで暖められた建物から夜間に熱が放出される影響が1番大きかった。建物が増え、「夜間に地表から上空に熱が抜ける放射冷却も起こりにくくなっている」という。関東地方から建築物すべてを取り除いたと仮定し、コンピューターで計算して分かった。 昼の暑さは緑地減少とコンクリート、アスファルトといった人工的地表の増加が主因だった。エアコンの室外機などの人工排熱は、影響が1番小さかった。 さらに、ヒートアイランド現象などで暖まった首都中心部上空の空気が、海風の影響で埼玉県や茨城県、千葉県の一部に運ばれ、関東内陸部の広い範囲で気温の高い領域ができることも解析で実証された。 同庁は今年度、関東地区の冬場と近畿地区の夏場について、同様に解析する方針。