ウォルト・ディズニーは、子供のいる家庭を対象とした携帯電話サービス「Disney Mobile」「ディズニー・モバイル」の提供を6月から始めると発表した。Disney Mobileの今回のサービスインにあたっては、他の事業者の携帯電話ネットワークに相乗りする「MVNO(Mobile Virtual Network Operator)」形式を利用するものと考えられる。
全地球測位システム(GPS)を使って子供の居場所を確認したり、通話料金が予定額を超えた場合、使用を制限する操作ができる。成長の見込める子供市場を通じて携帯電話事業に本格参入し、モバイル・コンテンツ(情報の内容)事業の強化につなげる。 ■音声通話時間、テキストメッセージ/写真メール/ダウンロードコンテンツの容量制限 ■携帯電話を使用可能な曜日や時間の設定 ■携帯端末が通話可能な電話番号の指定 ■両親からの重要なメッセージの優先設定 ■GPS機能による携帯電話を持った子供の位置の特定 販売対象は主に15歳以下の子供のいる親を想定している。ディズニー・キャラクターのコンテンツを配信するなど、娯楽機能でも他社と差別化する。例えばディズニー傘下の子供向けラジオ局ラジオ・ディズニーや、ディズニーのインターネットのサイトに接続し、音楽や画像を取り込める。 ウォルト・ディズニーは米携帯大手スプリント・ネクステルの回線を借り受け、通話やコンテンツ配信のサービスを提供する。電話機は韓国のLG電子とパンテックグループ製を採用。 MVNOは新たにインフラを構築するコストの負担がなく、自社ブランドでの携帯電話事業を簡単に立ち上げられる点で注目を集める業態だ。米国では、全米3位の携帯電話事業者で、米Nextelの買収を行った米Sprintが、MVNO各社にインフラを提供していることが知られている。 先日、英NTLによって英国での事業が買収されたVirgin MobileがMVNOベースで事業を展開しているほか、米Disney傘下のスポーツ放送局ESPNもMVNOでの携帯電話事業参入を発表している。正式なアナウンスは行われていないが、Disneyもこれら事業者と同様にSprintのネットワークを借りる形でサービスを開始することになると思われる。