あの事故から12年。偉大なドライバーが最後にF1で勝利を挙げたオーストラリアでブルーノ・セナがトップチェッカーを受けた。
F1世界選手権で3度ワールドチャンピオンのタイトルを獲得し、1994年のサン-マリノGP決勝レース中に事故死したアイルトン・セナが、F1で最後に勝利を挙げたのは1993年シーズンの最終戦、アデレードで行われたオーストラリアGPだった。これがセナにとって、マクラーレンでの最後のレースだった。 現在のオーストラリアGPの舞台は、アデレードより北に位置するメルボルンに変わったが、セナの姉ビビアーニの息子である22歳のブルーノ・セナが、31日(金)に行われたサポートレースのF3で、F1ドライバーや関係者が見守る中、見事に初勝利を挙げた。前日の16日に行なわれた公式予選では昨年の第17戦ニュルブルクリンクでのポールポジションに続く通算2度目のポールポジションを獲得すると、快晴・ドライコンディションで行なわれた開幕戦の第1レースを優勝。3度のセーフティカーが導入される波乱のレースを見事に制している。 「レースに勝つことが、どういうものかいつも考えてきた」と言うセナ。「今、それが分かった。とても説明のしにくいものだね」と初勝利の感想を語っている。 長いカート経験を持つB.セナは、2004年シーズンにかつて佐藤琢磨(SUPER AGURI F1チーム)も所属し、2001年にはイギリスF3選手権のタイトルを獲得したカーリン・モータースポーツから2004年のフォーミュラBMW・UKシリーズの終盤の3レースに出場し、フォーミュラーカーでのレースデビューを果たすと、その翌年にはフォーミュラ・ルノーに参戦、2005年からはF3にステップアップを果たした。 B.セナの叔父にあたるA.セナは、1981年にイギリスのフォーミュラ・フォード1600でレースデビューを果たすと、その2年後の1983年にはイギリスF3選手権でタイトル獲得、翌1984年にはトールマンからF1デビューを果たしている。B.セナにとってはこの日の勝利は、偉大な叔父の足跡を辿る第一歩となっている。 ブルーノ・セナが開幕戦で2勝!/英国F3 故アイルトン・セナのおいブルーノ・セナ(21)が、今季から参戦した英国のF3開幕戦で、いきなり2勝を挙げた。 オールトン・パークで行われた16日の第1戦では、ポールポジションから首位を譲らず優勝。17日の第2戦は2位スタートも、序盤で首位に立つと圧倒的な走りを見せた。