約2億年前からメスしかいないと考えられていたカイミジンコ(体長約1ミリ)のオスが鹿児島県の屋久島で見つかったと、滋賀県立琵琶湖博物館が13日発表した。
カイミジンコはエビやミジンコの仲間の甲殻類。同館のロビン・スミス学芸員らが03年春、屋久島の海岸近くのわき水で新種を見つけ、その中から、生殖器があるオス1体を確認した。その後の採取で計3体のオスが確認されたという。 このカイミジンコの仲間は化石研究などで約2億年前からメスしか見つかっていない。メスからメスが生まれる無性生殖を続ける世界最古の多細胞生物とされていた。 スミス学芸員は金沢大やロンドン大の研究者と一緒に英国の学術誌(電子版)で発表した。金沢大学大学院自然科学研究科の神谷隆宏教授(古生物学)は「オスはメスの幼体と形も大きさも似ている。オスはいなかったのではなく、姿を小さくして生き続けていたのではないか」と話している。