メルセデス・ベンツのスポークスマンは、ドイツのスポーツニュース通信社『SID』とのインタビューに応じ、「チームは、ニコ・ロズベルグ選手と将来的な話し合いを現段階では行なっていない」と語ると、「2007年のドライバーラインアップを最終決定しない限り、噂があるのは当然のこと」と付け加え、N.ロズベルグとの移籍交渉の噂を否定した。 現地時間(以下、現地時間)29日、海外の複数メディアがそのコメントを報じた。
今季ウィリアムズからF1デビューを果たしたN.ロズベルグは、開幕戦バーレーンGPでファステストラップを記録。その10年ぶりに達成された記録により、N.ロズベルグへの関心は高まった。 続く第2戦マレーシアGPでも、公式予選で3番手を獲得し、持ち前の才能をさらにアピールした。海外複数メディアは、マレーシアGPが行なわれたセパン・サーキットでは、ロン・デニス氏(マクラーレンのチーム代表)とフランク・ウィリアムズ氏(ウィリアムズのチーム代表)が話をし、ウィリアムズと複数年にわたる契約を結んでいるN.ロズベルグが、今季限りでチームを離れ、2007年からマクラーレン・メルセデスへ移籍するのではないかと伝えていた。 移籍報道を否定したものの、メルセデス・ベンツのスポークスマンは、N.ロズベルグがかつてマクラーレン・メルセデスのジュニアチームに所属していたことも触れ、「今季に関しても、ニコの走りは印象的だ。我々はニコをよく知っている。我々がニコをサポートしていた頃、彼は(ルイス・)ハミルトンを相手に素晴らしいカートレースをしたものだ」とコメント。現段階では交渉を持っていないと語ったが、N.ロズベルグの才能を認めている。 また、1982年度のF1ワールドチャンピオンで、N.ロズベルグの父親であるケケ・ロズベルグ氏は、「ニコは今の環境にとても満足しているよ」と語ると、「F1では、いいレースをすれば、いい話が舞い込んでくる。だが、その逆だってあるんだ」と移籍の噂を否定し、自身の子息がこうした噂によりメディアの標的にされることを尋常ではないと述べた。 そして、N.ロズベルグに関しては、元F1王者のミカ・ハッキネンがイタリアの新聞『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙とのインタビューで、「N.ロズベルグは将来ワールドチャンピオンになる」と発言したことも注目されている。 30日付けの同紙の紙面には、そのM.ハッキネンの発言を受けたN.ロズベルグが、「本当にミカがそう言ってくれたの? すごく嬉しいよ。バーレーンの後で電話をくれたんだ。びっくりして信じられなかったよ。僕が子供の頃、彼は僕のアイドルだったんだ。そうしたら、僕のパパが彼のマネージャーになったりしたから、直接知り合いになれた。彼にはいつも刺激を受けたし、コースでは彼をお手本にするよ。ミカは、アロンソを別にすればシューマッハを打ち負かした唯一のドライバーだからね。僕はハーフだけど、僕の中ではフィンランド人の部分のほうが強いんだ」と語ったコメントが掲載された。