携帯電話を読み取り機にかざすだけで、買い物ができるクレジットサービスは、現在カード会社など3陣営がバラバラの規格で提供しているが、これを共通化し、普及拡大を目指す動きが出始めた。現在はUFJニコスが「スマートプラス」、NTTドコモと三井住友カードが共同で「iD」、JCBが「クイックペイ」の名称でサービスを展開している。
ビザ・インターナショナルは、カード大手のUFJニコスから決済システムを築くための技術の提供を受け、「標準規格」として「VISAカード」を発行するクレジットカード会社や信販会社などに技術を開放するほか、マスターカードなど他のブランドにも導入を呼びかける。 携帯クレジットは、同じく携帯電話での利用が広がっている「電子マネー」と違って、事前の入金の必要がなく、買い物後に代金を決済できるのが特徴。現在はUFJニコスが「スマートプラス」、NTTドコモと三井住友カードが共同で「iD」、JCBが「クイックペイ」の名称でサービスを展開している。 ところが、3陣営はそれぞれ独自に開発した規格でサービスを提供しており、加盟店に置く読み取り機には互換性がない。加盟店、利用者のどちらにも不便で、普及の壁になっている。 このためビザは規格の統一に向け、UFJニコスの「スマートプラス」をビザカードの標準規格として採用することを決めた。加盟店が現在のクレジットカードのシステムを生かしながら、新サービスを導入できる利点があるためだという。 今後はこの標準規格に基づき、カード各社に携帯クレジットサービス導入を促し、一つの加盟店で、ビザカードを発行するなどのカード会社のサービスも利用できる環境づくりを目指す。ビザによると、三菱東京UFJなど2銀行と、オーエムシーなどカード・信販5社が、この規格の導入を表明しているという。 異なる方式で、サービスを展開する2陣営についても、システムに改良を加えることなどで互換性を持たせることは可能で、ビザは今後、NTTドコモやJCBと共通化に向けた協議を進める。