日本市場 11月11日発売日に出荷10万台止まりで一部マニア間でプレミア必死!?
米国では11月23日に「Thanks Giving Day(感謝祭)」と呼ぶ祝日がある。この時期からクリスマス商戦が始まることもあり、この時期に発売できないと痛手が大きいため、9月末に量産を始めた完成品を優先的に米国市場に向けて輸出する。
日本ではソニーの木更津工場、中国ではEMS企業などが量産を請け負うが、米国への輸出のロジスティック確保が悩ましい。PS3は本体だけで5kg、周辺アクセサリを含めると7kgになる。これだけの重量の商品を米国に全数空輸すると、コストが見合わない・・・船で送ると時間がかかる。今回の量産遅れによって、この輸送計画をいかに立てるかがポイントとなる。発売日までに米国に40万台を出荷、その後は週に10万〜20万台で供給する予定という。
日本市場では、11月11日の発売時には10万台の確保が精一杯のようです。その後、年末までに週に10万台程度を日本市場に向けて出荷する。この結果、当初は年末までに世界市場で400万台という目標を掲げていたが、日米市場分を合わせて年内の出荷台数は200万台程度になる見通しである。
ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEI)は、次世代ゲーム機「プレイステーション 3(PS3)」を11月11日に日本国内で発売すると発表した。HDDを標準搭載し、価格は20GBモデルが5万9800円(税抜き)=62,790円、60GBモデルがオープンプライス。
プレイステーション 3の発売日は当初2006年春を予定していたが、3月に開催された「PS Business Briefing 2006 March」にて11月上旬に発売日の延期が発表された。今回の発表では日本以外にも、北米および欧州、豪州で11月17日にPS3が発売されることが明らかになった。このうち、米国では20GBモデルが499ドル、60GBモデルが599ドルで販売される。
60GBモデルにはメモリースティック/SDカード/コンパクトフラッシュに対応したマルチカードリーダを装備。無線LAN機能としてIEEE 802.11b/gも内蔵しているが、20GBモデルでは省かれている。しかし、別売のオプションで追加することも可能。ただし、20GBモデルにHDMI出力を追加することはできない。
CPUはCellプロセッサで、Blu-ray Discに収録された48Mbpsの動画(BD規格最高レート)も再生可能。GPUはRSX。256MBのメインメモリと256MBのビデオメモリを内蔵。音声フォーマットはドルビーデジタル5.1ch、DTS、リニアPCMなどをサポートする。内蔵HDDはどちらもシリアルATA接続。USB 2.0端子を4系統、1000BASE-T対応のEthernet端子を1系統、Bluetooth 2.0(EDR)も内蔵する。
光学ドライブ部はBD-ROMの2倍、DVD-ROMの8倍速、CDの24倍速、SACDの2倍速読み込みに対応。外形寸法と重量も共通で約325×274×98mm(幅×奥行き×高さ)で、約5kg。「発熱や騒音対策を徹底的に追求することで、PS2並みの静粛性を実現した」という。
◆シェア争いに影響
ソニーは、昨年5月、PS3の発売時期を「06年春」と発表していたが、昨年末に業界でまとめるはずだったBDの著作権保護に関する規格策定が遅れ、予定通り量産化できなくなった。関係者によると、今春発売なら当初は50万台程度しか商品をそろえられず、業界が初期出荷に必要と見込んでいた250万台を大幅に下回る見通しになり、品不足による消費者の混乱を避けるため発売を先延ばしすることにした。
新型ゲーム機では、すでに販売されている米マイクロソフトの「Xbox360」が低価格攻勢をかける可能性があるほか、任天堂も年内に新型機「レボリューション」を発売する計画で、PS3の発売延期で消費者が他社製品に流れる可能性がある。
また、現在次世代DVD規格として覇権を争うHD-DVD東芝陣営は、この春には先行してプレーヤーを発売するが、ソニーが推進するBD陣営はPS3に搭載されるBDプレーヤーを期待していたが、今回の発売延期で「ブルーレイ・ディスク」(BD)陣営とHD-DVD陣営のシェア争いも大きな変動が予想される。
ゲームソフトの記録媒体として採用する次世代DVD「ブルーレイ・ディスク」(BD)の規格作りなどが遅れて量産体制が整わないため。世界的なヒットが見込まれるPS3の発売延期は、次世代ゲーム機のシェア争い、HD-DVDと争う次世代DVD「ブルーレイ・ディスク」(BD)のシェア争いにも大きな影響を与える。
◆発売に不安?
発売延期について、片山栄一・野村証券金融経済研究所シニアアナリストは「規格策定が遅れたためではなく売れるソフトとゲーム機の新しい機能が足りないためではないか」と推測する。PS3はスーパーコンピューター並みの高機能を誇るため発売価格は従来機の3万〜4万円という水準より高くなることは確実。このため、目玉になる機能やソフトがなければ一気に販売台数を伸ばすことは難しい。
SCEはこうした指摘を否定。高精細な映画を見る次世代DVD再生機としての機能やネットオークションなどインターネット上のコンテンツ(情報の内容)などを組み合わせた新たなゲームソフトなどを投入すれば十分需要はあると強気にみている。
◆より広い影響も
現在、米ハリウッドの大手映画会社6社中5社がBD陣営への参入を表明、東芝などが推すHD―DVD陣営を圧倒している。昨年10月、HD支持だったパラマウントが「BD参入の決め手の一つはPS3への搭載」と説明したように、PS3の今春発売の予定がBD陣営の切り札になっていた。その発売時期が延期されたことで、映画会社の姿勢が微妙に揺れる可能性がある。
またソニー本体の業績に影響を及ぼす可能性もある。2000億円を投じて開発した新型半導体「セル」やBDを搭載したゲーム機だけに、「PS3で失敗は許されない」との声は強い。発売延期が消費者の動向にどう響くのか注目される。
プレステ3、発売延期か ソニー、業績回復にも影響
ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の次世代ゲーム機「プレイステーション3」の発売が、予定の今春から秋以降に遅れる可能性が高まっている。プレステ3に内蔵される次世代DVD「ブルーレイディスク」の量産に向けた準備が遅れているためとみられる。
映画並みの画質でゲームを楽しめるという最新鋭機の登場を待つ愛好家にとっては、さらに待たされる残念な状況に。ソニー復活の「切り札」と目されるプレステ3のつまずきは、上向きかけたグループの業績に影を落としかねない。
SCEは「ブルーレイの高画質映像はプレステ3に不可欠だ。内蔵が遅れれば発売延期もありうる」(広報部)などとしている。延期されれば、10月以降の年末商戦に照準を合わせる可能性が高い。
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