セイコーインスツルは3月2日、腕時計と携帯電話との通信をBluetoothで行う「BT Watch」規格を搭載した腕時計型の実験機を開発したと発表した。 今回開発された実験機は、これとBluetoothが搭載された既存の携帯電話を利用して、2005年12月にモバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MCPC)において策定された「BT Watch」規格TR-006 ver.1.0のシミュレーションを行うためのもの。
これまでの実験では、ノート型PCや実験用基板などの機器で代用していたが、実際の携帯電話と腕時計型端末を利用することによって、実験室から外の環境に持ち出して、現実感を持ってシミュレーションすることができるようになったという。 今後、この実験機で得られた情報をベースに、通信手順の完成度を高めると同時に、アプリケーションの開発を進め、2007年を目標に商品化の時期を具体的に示していくとしている。 今回開発された実験機の主な仕様は以下の通り。 着信のお知らせ1 携帯電話の音声着信やメール着信を腕時計の振動や音で知らせる。音声着信時には発信者名も表示される。また、TR-006では未策定の、メールの差出人名や件名も表示する。 着信のお知らせ2 バッグの中やポケットの中の携帯電話への音声着信を、腕時計の操作で保留応答や着信拒否をする。 置き忘れ防止 携帯電と腕時計がある程度の距離で離れ、双方のリンクが途絶えた場合、腕時計がアラートする。 着信音のミュートおよび解除 通常の音量に設定されている携帯電話の着信音を状況に応じて腕時計からミュート、もしくは解除する。 時刻情報の同期 腕時計の時刻を携帯電話の時刻に同期させる。