グーグルは、ベータ版として提供しているデータ登録・検索サービス「グーグルベース」に決済機能を追加したと発表した。決済機能はグーグルベースのごく一部のユーザーに提供され始めた段階だとしている。 グーグルベースは、料理のレシピからたんぱく質のデータベースや店の在庫リストに至るまで、データの形をとるものであれば自由に登録できるサービス。
グーグルは、グーグルベースにデータをアップロードしやすくするためにさまざまなテンプレートを用意しているが、その中にはオンラインショッピング業者が在庫状況データをバルクアップロード(まとめて一度ににアップロードすること)ための方法なども記されており、当初からグーグルベースを商業目的に利用することが認められていた。 今回提供される決済機能によって、グーグルベースに掲載されているアイテムをクレジットカードで購入することができるようになるため、グーグルベースが一種のショッピングサイトの様を呈してきた。 グーグルベースがまだ公式に発表される前にスクリーンショットなどが流出した際に、この新サービスが“クラシファイド(三行広告)”サイトではないかという噂があった。実際には、より幅広いデータを扱うサイトだったわけだが、決済機能が追加されたことにより、グーグルベースはクラシファイドサイトよりも便利な方法で不要品などを販売することができそうだ。 例えば、家庭の不要品を表計算ソフトなどでリストにし、画像とともにグーグルベースにアップロードすれば、場合によってはオークションサイトに出品するよりも手軽に販売できるようになるかもしれない。また、オンラインショップにとっては広告を出稿して自分のネットショップに顧客を誘導するよりも、グーグルベースに店の在庫情報をアップロードして直接商品を購入してもらう方が安上がりになると判断するかもしれない。 このようにグーグルベースの決済機能追加は、グーグルの広告ビジネスを補完すると同時に、オークションサイトやクラシファイドサイト、ショッピングサイトなどにも影響を与えそうだ。 グーグルが決済サービスを提供することに関しても、これまでさまざまな噂が流れていた。これについてグーグル公式ブログでは、同社はすでに実質的に決済機能を提供してきたことを指摘している。 例えば過去4年間にわたって広告主はグーグルに広告料を入金し、グーグルはAdSense利用者に支払うことにより、実質的に資金を仲介してきたという。また、最近では「Google Video」で映像コンテンツの販売を行ない、それ以前には「Google Earth」のライセンス販売、「Google Store」のGoogleグッズ販売で決済機能を提供してきたとしている。 今回、グーグルベースに決済機能を追加したことになったわけだが、今後の予定については「Googleのユーザーと広告主のニーズを満たす決済サービスを構築し続けていきたい」とコメントするにとどまっている。