話題のナレッジベース | Knowledge Base Weblogs space
HOMEBlogs index Science >> space
space space
space
space
space
space
July 23, 2004 space
   space
space

「土用の丑の日」ウナギの産卵地は古代ギリシャ時代からの謎…ニホンウナギの出身地はマリアナ沖

space

「土用の丑の日」(30日)になると思い出す。四国四万十川で聞いた漁師の話で、ウナギの産卵場所は、誰も知らないと言われている。四万十川ではシラスウナギを取り養殖することで、御殿が建つと言われていた。ウナギの産卵場所は古代ギリシャ時代からの謎。古代ギリシャの哲学者、アリストテレスは「ウナギは泥の中から自然発生する」と唱えた。
 

ウナギの産卵地
 
 
 ウナギは世界で18種確認されていが養殖のウナギは、卵からでは育たず、全長50〜60ミリにまで成長した天然のウナギの稚魚「シラスウナギ」を採取して育てている。しかし長年の謎だったニホンウナギの産卵場所が、北西太平洋のマリアナ諸島沖のグアム島の北西約200kmの海中にある「スルガ海山」がウナギの産卵場のひとつ、ということを東京大学海洋研究所の塚本勝巳教授らのグループが突き止めた。
 

space

 

 土用丑の日
 
土用とは、立春・立夏・立秋・立冬の前の18日間のこと。その中で十二支が「丑(うし)」の日を、土用の丑の日という。とくに夏の土用の丑の日が有名で、暑さを乗り切るためにウナギを食べる習慣がある。
 
ウナギの産卵地

 
ushinohi03.jpg今のように土用にウナギを食べる習慣が一般化したきっかけは幕末の万能学者として有名な平賀源内が、夏場にウナギが売れないので何とかしたいと近所のウナギ屋に相談され、
 
 「本日、土用丑の日」
 
と書いた張り紙を張り出したところ、大繁盛したことがきっかけだと言われています。その張り紙に興味を示した江戸っ子が、その意味が判らないまま口コミ(バイラルマーケティング)的に、「土用丑の日」にウナギを食べるもの…と話題が一人歩きした結果だと言われていますが、これと同じ例が、「バレンタインにチョコ」を贈ると言う理由のない風習となったことからも「土用丑の日」にウナギを食べるはマーケティング効果とされています。
 
ウナギの産卵地

 
 なぜ丑の日なのか? ウナギなのか?
 
 丑の日とウナギの関係ですが、丑(うし)の日に「う」の付く物(うどん・うり・梅干など)食べると体に良いとの言い伝えがあり、「ウナギ」もこれに合致した食べものであった!?
 
平賀源内(ひらが げんない)
1728〜1779(享保13〜安永8)江戸中後期の本草学者、蘭学者、(医者)、作家、発明家です。

 
 ウナギの生態は、実に多くの謎に包まれた生物・・

 ウナギは浜名湖での養殖が有名であるように淡水魚として知られているので、ウナギって、浜名湖とかで生まれるんでしょ?と思うでしょうが、実は海で産卵・孵化をおこなう産卵回遊を行います。ウナギのように海で卵を産んで淡水で成長する生活サイクルを特に降河回遊(こうかかいゆう)といいます。ウナギの一生のうち、産卵から幼生の時代にかけてはその生態はほとんど謎に包まれていています。
 

ウナギの産卵地

 
 養殖ウナギもその出生場所は不明で、天然のウナギの稚魚「シラスウナギ」河川で採取して育てることで養殖としている。河川として有名な四万十川がウナギの稚魚「シラスウナギ」の採取場所としても有名。
 
 ウナギの産卵場ほぼ特定 日本の南2千キロの海山
 
 ふ化直後のニホンウナギを東京大海洋研究所の塚本勝巳(つかもと・かつみ)教授らのチームが北太平洋・マリアナ諸島の西の海域で大量に捕獲、これまで謎だった産卵場を日本の南約2000キロにあるスルガ海山とほぼ特定した。ここで生まれたウナギは海流に乗って約3000キロを旅し、日本沿岸にたどり着くという。23日付の英科学誌ネイチャーに発表した。
 
ウナギの産卵地

 
 ウナギは世界で18種確認されているが、いずれも天然の卵や産卵中の親ウナギは見つかっておらず、産卵場も分かっていない。日本や中国、台湾など東アジアに広く分布するニホンウナギも、マリアナ諸島西の海域が産卵場で、ふ化直後の「仔魚(しぎょ)」は北赤道海流と黒潮により東アジア沿岸に運ばれると推定はされていたが、産卵場特定には至っていなかった。

 
 「約半世紀におよぶニホンウナギの産卵場調査に、ひとまず終止符が打たれた」としている。
 
 孵化(ふか)したばかりの「仔魚(しぎょ)」数百匹を採取し、遺伝子解析でニホンウナギと確認した。生態を明らかにできれば、ウナギの完全養殖の実用化にもつながると期待される。23日付の英科学誌ネイチャーに発表する。
 
研究グループが採取した仔魚は全長4・2〜6・5ミリ。孵化後2日で、周辺の海流から、マリアナ諸島沖の海山で産卵したものと特定できた。海山は水深3000〜4000メートルの海底から海面下10メートル近くまでそびえ立つ海の山。
 
孵化した仔魚は、北赤道海流と黒潮にのって、約3000キロの距離を3〜7か月間かけて日本沿岸まで旅をしてくる。
 
独立行政法人・水産総合研究センター養殖研究所の田中秀樹・繁殖研究グループ長は「ウナギの産卵は謎が多く、人工飼育では孵化後100日まで生きるのは1万匹に数匹ほど。産卵時の水温や明るさ、エサなどが分かれば、完全養殖が大きく進む」と期待している。

 
 <ニホンウナギ>産卵場所はマリアナ海域 東大海洋研が特定

 生態に謎の多いニホンウナギについて、東京大学海洋研究所のチームがふ化したばかりの赤ちゃんウナギ仔魚(しぎょ)を世界で初めて大量に発見し、産卵場所を突き止めたと発表した。場所はグアム島近くのマリアナ諸島西方海域。これまで卵からウナギを養殖する技術は確立されていないが、今回の発見により産卵場所の水温など環境を調べることで養殖技術の向上にもつながると期待される。23日付英科学誌ネイチャーに掲載される。
 
ウナギは世界で18種類いるが、ミトコンドリアDNAの解析結果から、これらは約1億年前の白亜紀に現在のインドネシア付近の海産魚から派生したと考えられている。産卵場所は特定されておらず、卵や産卵中の親ウナギも見つかっていない。
 
当時は大陸の分布も現在とは異なり、産卵場と生育地は数十キロから百数十キロの範囲にあった。地球を覆うプレート(岩板)の活動により、陸と海の位置関係が変動し、ニホンウナギやヨーロッパウナギの場合は長い距離を回遊するようになった、という説が有力だ。同チームは91年、ふ化から10日以上経過したニホンウナギ(全長10ミリ以上)約1000匹をグアム島付近(北緯15度、東経140度付近)で採取した。しかし具体的な産卵場所は不明だった。
 
今回、同チームは91年の採集記録や海流データ、さらに海底地形図などを分析して産卵場所を推定。05年6月、研究船で調査した。その結果、ふ化して2日後の赤ちゃんウナギ(5ミリ前後)約400匹を採集することに成功。卵は見つからなかったものの、周辺の海流速度などから産卵場所を突き止めた。さらに、約130匹を遺伝子解析し、ニホンウナギであることを確認した。産卵場所の広さは110キロ×30キロの範囲だった。
 
チームの青山潤助手(海洋生物学)は「ニホンウナギは赤道付近の海流から黒潮に乗り換えて約3000キロの距離を、日本付近の河口まで回遊してくる。海流にうまく乗るには、厳密に決まった場所で産卵する必要があるのだろう」と分析している。


 
 世界初、産卵期の天然ウナギをマリアナ諸島沖で捕獲に成功…
 
 水産庁は22日、マリアナ諸島沖で産卵前後の天然ウナギ5匹の捕獲に世界で初めて成功したと発表した。
 
天然ウナギの生態はいまだに謎に包まれており、マリアナ諸島沖で産卵しているという仮説はあったものの、産卵前後の親ウナギはこれまで見つかっていなかった。人工的なウナギの稚魚の安定供給につながると期待される。
 
同庁などの研究チームは6月、同諸島西側にある「スルガ海山」の南南西約130キロの水深200〜350メートルの範囲で、成熟した精巣を持つ雄のニホンウナギ2匹と雄のオオウナギ1匹を捕獲。また、8月にはスルガ海山から30キロ離れた海域でニホンウナギとみられる2匹を捕獲。うち1匹は産卵後の雌だったという。また、水深100〜150メートルで孵化(ふか)後2〜3日とみられるウナギ26匹も発見。水深数十メートルの海山山頂よりももう少し深い海を遊泳しながら産卵している可能性があると推定されたという。
 
稚魚は海流にのって、約3000キロの距離を3〜7か月間かけて日本沿岸まで旅をしてくる。ウナギの完全養殖は難しく、養殖ウナギは一般的に、こうした天然の稚魚を採取しているが、最近では個体数が減少し、人工的な供給手段が求められている。
 
同チームの水産総合研究センター中央水産研究所の張成年室長は「謎が多いウナギの生態に迫る大きな一歩。産卵時の水温などの条件が分かれば、完全養殖が大きく進むだろう」と話している。

 
 世界初「完全養殖」ウナギ人工孵化から子・孫も誕生
 
人工孵化(ふか)したウナギを親まで成長させて、子世代、孫世代の稚魚を誕生させる「完全養殖」に世界で初めて成功したと独立行政法人・水産総合研究センターが8日発表した。
 
これまでウナギの養殖は、天然の稚魚を捕獲して育てる方法しかなかったが、今回、完全養殖に成功したことで、かば焼きなどに用いられるウナギの安定供給に道を開くと期待される。
 
同センターによると、天然の稚魚を育てた成魚の精液と卵をもとに人工授精させて誕生した子世代の稚魚は、成魚まで成長せず精子と卵を取り出すことが難しかった。
 
今回、研究チームは、稚魚の成長を促すよう、サメの卵を使った特殊な餌などを開発。この餌を使って2〜5年かけて成育させた後、ホルモン注射を行うと、オスとメスが精液と卵を作るまで成熟することを突き止めた。先月26日、子世代のウナギの精液と卵を使って人工授精。できた受精卵25万個は高率で孵化し、4月1日現在10万匹の稚魚が生存しているという。
 
これまでの養殖は、日本沿岸で採取した稚魚を養殖業者が育てていたが、環境変化の影響などで捕獲量が激減。価格の高騰と共に、養殖業の継続が危ぶまれていた。水産総合研究センターの井上潔理事は「天然資源に依存しないウナギの養殖の道が開かれた。天然ウナギの保護に役立つ大きな前進だ」と話している。

 

space
HOMENews BlogsScience | July 23, 2004 |  twitter Livedoor Buzzurl はてな Yahoo!ブックマーク人が登録
space


space Entries of this Category
space

  Next >> 探査機カッシーニ:土星の謎に迫る >> 

史上初めて土星の周回軌道に入った米航空宇宙局(NASA)の探査機「カッシーニ」が、土星とその衛星のデータや鮮明な画像を次々と地上に届けている。土星の輪の形成過程を知る手がかりの...»この話題を見る…


  Previous << iPod mini :人気のカラーはこれだ! << 

「iPodmini」人気のカラーはこれだ! 予約販売データでカラー別ランキングを大公開  いよいよ7月24日から販売がスタートする「iPodmini」。大手量販店の店頭には予約... »この話題を見る…


space
space
Welcome to knowledgeBase  Blogs  ▲TOP