これまでもソニーの「HDR-SR1」やパナソニックの「HDC-SD1」、キヤノンの「HV10」などが「フルHD」をうたっていたが、いずれも1440×1080ピクセルの1080iまでの対応となっていた。
コンシューマ向けハイビジョンカメラとしては初の1,920×1,080ドットでの動画撮影が可能。圧縮方式はMPEG-2 TSで、音声フォーマットは2chのMPEG-1 Layer2を採用している。
コンシューマ向けとして初めてレンズには、放送局向けカメラでの採用例が多いフジノン株式会社の「FUJINONレンズ」を採用。非球面レンズを3枚利用し、そのうち1枚は高屈折率高屈折硝材を用いている。ズーム倍率は光学10倍(F1.8〜1.9)で、フレアを低減する「NEW EBC(Electric Beam Coating)コート」を採用。光学手ぶれ補正もEverioシリーズで初搭載している。
新開発の1/5型、総画素数57万画素(1,016×558ドット)、有効画素数53万画素(有効976×548ドット)の16:9のプログレッシブスキャンCCDを3枚使用し、斜め画素ずらし構造を採用することでフルHD(1,920×1,080ドット)に対応する。
ソニーや松下電器が推進するMPEG-4 AVC/H.264を利用した「AVCHD」方式ではなく、MPEG-2記録を採用した理由については、「H.264についても引き続き検討はしているが、現時点では、PCでの編集など周辺環境が充実しているMPEG-2のほうが使い勝手が良いと判断した」としている。
容量60GBのHDDを搭載し、画質モードは3種類。「FHD」は最高画質モードで、解像度は1,920×1,080i。VBRを採用し、最高30Mbps、平均26.6Mbps。録画時間は5時間となっている。「SP」は長時間対応モードで、1,440×1,080iで記録。同じくVBRで最高22Mbps、平均19Mbps。録画時間は7時間。「1440CBR」は、名前通りCBRで記録するモード。解像度は1,440×1,080iで、ビットレートは27Mbps固定。録画時間は5時間としている。
マニュアル撮影機能も充実しており、フォーカスリングを備えるほか、ホワイトバランスや露出、シャッター優先モード、絞り優先モードなどを装備。液晶モニターも備え、フォーカスした部分の輪郭だけをカラー表示するフォーカス・アシストに対応。露出確認用のゼブラ表示も可能となっている。外部マイク接続用のマイク入力も備えている。
静止画用フラッシュや「Illumi Light」と呼ばれるビデオライトも装備
最上位モデルの「GZ-MG555」は、1/2.5型、5.37MピクセルのCCDを搭載したハイエンドモデル。光学10倍ズームレンズを備え、静止画は最大で2,592×1,944ドットの撮影が可能。静止画用フラッシュのほかに、「Illumi Light」と呼ばれるビデオライトも備えている。
USB端子やi.LINKを装備
パソコンとUSB接続して、録画映像を取り込み可能となっている。また、編集/管理ソフトとしてサイバーリンクの「BD Solution」を同梱。編集用の「PowerDirector 5 NE Express」や、「PowerProducer 3 NE」、再生ソフト「PowerCinema NE for Everio」などを利用できる。
i.LINKからのストリーム出力は1440CBRモードの録画データのみ出力可能で、そのほかの記録モードの録画映像についてはDV形式にダウン今コンバートして出力する。また、HDMI出力端子も備えており、テレビなどと直接接続してハイビジョンで録画映像を楽しむことができる。
MPEG-2で記録した映像をDVに伸張、i.LINKで転送して、レコーダ側で再びMPEG-2に再圧縮する。デジタル同士で接続することにより、アナログ経由のダビングよりも利便性を高めた。
DVDライター「CU-VD40」
撮影したハイビジョン映像をDVD-R/RWにデータ記録できるDVDライター「CU-VD40」も4月に発売予定。市場想定価格は399.95ドル。ハイビジョンのMPEG-2 TS録画ファイルを直接DVDに記録して、そのデータをCU-VD40から再生できる。また、DVDビデオの作成も可能となっている。
対応記録メディアはDVD-R DLとDVD-R/RW。CU-VD40にはHDMI出力や、コンポーネント出力、AV出力も備え、リモコンも同梱。単体のDVDプレーヤーとしても利用できる。また、パソコンとUSB接続し、外付けのDVDドライブとしても利用可能。
□Victorのホームページ ニュースリリース(英文)
http://www.jvc.com/press/index.jsp?item=549&pageID=1