三洋電機はフィンランドのNokiaとCDMA2000事業を扱う新会社を設立すると発表しましたが、この提携の背景には、国内メーカーが携帯開発の高コスト化に悩まされるようになった現状があるようです。 日本国内の携帯電話開発を行う各社ともに、開発プラットフォームを共通化するなど工夫はしているが、特に日本国内での3G端末の高機能化は著しく、どうしても費用がかさみがちだ。それでいて国内の携帯出荷台数は、長期的に減少傾向にある。
海外に目を向ければ広大な市場が広がっており、各メーカーともここを目指している。鵜狩氏は発表会で、いわゆる「BRICs」――ブラジル、ロシア、インド、中国といった国のCDMA市場に注目していると言及した。だが海外市場では、まだまだエントリーレベルの端末が売れ筋。SamsungやLGといった韓国メーカーの台頭もあり、日本メーカーは世界のトップ5に全く食い込めない状況なのです。 Nokiaは、いわずと知れた世界トップの端末メーカー。GSM端末では圧倒的なポジションにあるが、CDMAの分野ではSamsungやLGに遅れをとっていた。そんなNokiaにとっても、auや米Sprintといったキャリアに食い込んでいる三洋は魅力的なパートナーです。 単純な数字の上乗せだけでなく、補完関係も築ける。三洋の強みは、いうまでもなく日本国内の競争でもまれたハイエンド端末の開発力。そしてNokiaの強みは、技術上の特徴が少ない端末でも売上を立てられる絶対的なブランド力と、端末を安価に提供できる商品供給体制にある。 新会社設立による三洋電機の狙いは明らかだ。「世界で広く戦ってみたい」と鵜狩氏が口にするとおり、世界市場への進出ということになる。Nokiaは既に世界で60を超える通信キャリアと関係を持っており、三洋電機はこうした「顧客」を相手にできるようになる。