IE 7 beta 2版がWindows XP Service Pack 2だけに対応していて、セキュリティ、個人情報保護、キャッシュ/履歴データ削除、タブ・ブラウジング、検索ボックス、強化版Webページ印刷、RSSリーダーなどの機能を実装しているようです。
信号機のように青・黄・赤に色が変わるセキュリティステータスバーを導入。黄や赤の時には、そのサイトに危険性が潜んでいるという意味だ。新しく搭載されたフィッシングフィルターと相まって、ユーザーが危険性を察知できるようになっている。
ポップアップウィンドウでは、アドレスバーが表示されないためにどのサイトが表示されているのかかわからないことがあったが、IE 7 Beta 2ではすべてのウィンドウにアドレスバーを表示する。ステータスバーと連携して危険を察知しやすくなった。
このほかにも閲覧履歴を一括消去できる機能、国際化ドメイン名(IDN)のスプーフィング対策、URLパース機能の再設計などのセキュリティ対策が施された。また、Windows Vista上で利用する場合には、他のアプリケーションとブラウザを隔離するプロテクトモードで動作させることも可能になったという。
タブブラウジング、RSSフィードの自動認識など利便性が向上
利便性に関する新機能ては、まずブラウザのユーザーインターフェイスが大幅に簡略化され、その分Webページを表示できる面積が広がっている。その上、タブブラウジング機能が導入され、複数ページの同時閲覧も楽にできるようになった。
また、RSSフィードを自動的に認識して、プレビューやお気に入りへの登録も可能だ。このお気に入り機能も、タブブラウジング、閲覧履歴、RSSフィードなど、搭載された新機能と連携して動作する。
さらにツールバーサーチボックスを用意。デフォルトではMicrosoftの「MSN Search」に設定されているが、それ以外にGoogle、Yahoo!、Ask Jeevesなど他のサーチエンジンにも設定を変更できるようになった。
最近流行しているAjaxについても、これまでActiveXコントロールとしてXMLHTTPリクエストで扱われていたものを、JavaScriptのネイティブオブジェクトとして扱うようにになり、他のブラウザとのAjaxアプリケーションの互換性が向上した。また、IEを通してRSSを扱うための機能が提供されるようになり、他のアプリケーションでRSSを利用しやすくなっている。
■ ユーザーエージェント文字列の確認方法がIE 7でも正常に動作するかを確認すること。Windows Vista上のIE 7では、ユーザーエージェントが「Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0b; Windows NT 6.0)」のように表示される。ベータ版では「7.0b」となるが、正式版では「b」が取れる。
■ IE 6までのバージョンでうまく動作していたCSSハックは、IE 7では動作しないようになった。どのハックがどこに利用されているかを確認しておくこと。CSSハックについては、IE 7における変更点についてMSDNで詳細な文書が公表されている。
■ 透過画像が正常に表示されるかを確認すること。IE 7ではPNGフォーマットのアルファチャンネルが実装された。
■ IE 7ではセキュリティ上の多くの変更がなされている。1)SSL 2.0が使用できない、2)スクリプトレットがデフォルトで使用できない、3)HTTPSを使用している場合にサイトのDNS名で正当なデジタル証明書が用意されているかどうかを確認すること、4)HTTPSページの中にHTTPコンテンツを混ぜないこと。
■ IE 7ではフィッシングサイトを探知するためのフィッシングフィルターが新たに導入された。自分のサイトがフィッシングサイト、あるいはフィッシングサイトと疑わしいサイトと見なされないように確認すること。そのためにはセキュリティステータスバーが赤や黄色ではなく、緑色に表示されていなければならない。Microsoftがこのフィルタリング技術で採用している方法についてはホワイトペーパーが発行されている。
■ ActiveXコントロールを開発している場合、インストール時には使用できない状態にしておき、ユーザーが必要に応じてアクティベートできるようにしておくこと。ActiveXコントロールは、デフォルトでは自動的にインストールできないように仕様が変更されている。
■ IE 7ではRSSフィードの自動発見機能が追加された。自分のサイトでRSSフィードが発見されるかどうかを確認すること。また、そのRSSフィードがIE 7の画面上で正常に表示されるかを確認すること。
このほかにもOpenSearchへの対応や、Internet Explorer Developer Toolbarなど数多くの新機能が用意されている。その機能を利用するよう新たな開発を行なうことも可能。
Mozilla Firefoxなど他のブラウザがシェアを獲得し始めているとはいえ、IEは依然としてブラウザシェアのうち9割程度を占めている。従来のIE 6以下とIE 7の動作とを整合させるために、開発者の側に新たな努力が求められる。
最終版は、Windows OSの次版「Windows Vista」とほぼ同じ時期の2006年終わりごろ利用可能になる予定とのことです。
■ Microsoft IE 7 ダウンロードサイト
http://www.microsoft.com/windows/ie/ie7/default.mspx