自動車のF1世界選手権に新規挑戦を表明していた「スーパーアグリ・フォーミュラワン」(鈴木亜久里代表)に対し、26日、F1を統括する国際自動車連盟(FIA)が正式に承認を与えた。同チームが発表した。これで、来季用のマシン製作などを進めている同チームに参戦の障害はなくなり、3月12日決勝の開幕戦・バーレーンGPに向けて、準備を急ピッチで進める。
昨日、FIAは2006年F1世界選手権におけるスーパー アグリ フォーミュラワンの参戦を承認するプレスリリースを発表した。これによって2006年はグリッドに22台のクルマが並ぶことになる。マシン名はアグリ・ホンダで、ドライバーは佐藤琢磨の起用が確実。もう一人も井出有治ら日本人候補が挙げられている。 スーパーアグリは昨年11月初旬に出場を表明。しかし、約57億円にのぼる供託金の用意が遅れたことなどで、12月1日にFIAが発表したエントリーリストから漏れた。その後、供託金を払いこんだ上で再エントリー、審査通過を待っていた。 同チームにはホンダがエンジンを供給、車体技術でも協力する。 鈴木代表は「エントリーが認められ、とてもうれしい。開幕戦に間に合わせることについては、自信を持っている。ドライバーについては、近く正式に発表したい」とコメントを出した。 鈴木 亜久里 バーレーンへ向けてベストを尽くす 昨日、11番目のチームとしてFIAよりF1世界選手権への参戦を承認されたスーパー アグリ F1チームは、開幕戦のバーレーンGPへ向けて忙しい時間を過ごすことになるだろう。チーム代表の鈴木 亜久里は参戦への喜びについて次のようにコメントしている。 「他の全F1チームから得られたサポートについて感謝しているし、彼らにすぐ会うことを楽しみにしています。我々のチームのメンバーは、バーレーンのグリッドに確実に並ぶことができるように彼らのベストを尽くしています。そして、我々にはそれができると、私は確信しています」 スーパー アグリのセカンドシート、サードシートに誰が座るかは様々な憶測が流れているが、1つ目のシートについては佐藤 琢磨が確定的である。 F1参戦決定 亜久里代表スペインで新車投入 ビリ覚悟“4年落ち”で開幕 国際自動車連盟(FIA)は26日、元F1ドライバーの鈴木亜久里氏(45)が代表を務める「スーパーアグリF1」の今季のF1シリーズ参戦を認めると発表した。鈴木氏は27日、チームが本拠を置く英国・ロンドンから帰国。序盤での苦戦は覚悟したものの、オリジナルマシン「SA06」を第6戦スペインGP(5月14日)から投入することを明かした。ドライバーには前BARホンダの佐藤琢磨(28)が確実視される“日本代表”チームが、いよいよF1のグリッドに並ぶ。 琢磨のパートナーは候補4人 F1参戦の夢がついにかなった。鈴木氏は「長らくお待たせしました。やっとスタートラインに並べた気持ちです」と、参戦決定に安ど。11月1日の参戦発表から約3か月、本来なら12月初旬にも認められるはずだったが、書類上の不備などで大幅に遅れた。「ほとんど夜も眠れないくらい大変な毎日だった」11チーム22台の参戦は、02年シーズン途中にアロウズが撤退して以来4年ぶりとなる。 ドライバーは、佐藤がすでに加入の意思を示しているがこの日の発表はなく、第2ドライバーには「4人ぐらいと話している。外国人? 経験も大事になるからそこも含めてこれから」と外国人の起用の可能性も示唆した。スポンサーは数社と現在も交渉中で「参戦が決まればOKというところもある」。水面下で着々と準備は整えている。 マシンは旧アロウズの「A23」をベースに作製した「SA05」を準備。しかし「本当に戦う車はバーレーン(開幕戦、3月12日)でしか見られない」とぶっつけ本番になることを明かした。さらに“4年落ち”のため、「車を持って行くことが大前提。ビリでも仕方ない」と早くも白旗の状態だ。しかし「SA06」が投入されるスペインGPからは「ポイントが取れるようになる」と自信。チームの真価を発揮するのは中盤戦以降となる。 エンジンはホンダ、タイヤはブリヂストンに決定しており、マシンの色も日の丸を連想させる赤と白に決まった。「日本のチームだと思っている」と鈴木氏。母国の誇りを胸に開幕戦にのぞむ。