環境に有害なダイオキシン類の分解能力を高めた細菌を、遺伝子操作で作り上げることに成功したと、京都大大学院農学研究科の村田幸作教授(微生物学)が発表した。 英科学誌ネイチャー・バイオテクノロジー電子版に現地時間の15日、掲載された。今後、実用化に向けた研究を進める。
村田教授は、京都市の水田で採った細菌が巨大な口を持ち、物質を丸のみすることを見つけた。 スフィンゴモナス属の細菌の一種で、体長約1マイクロメートル(1000分の1ミリ)、口の大きさは約0.1マイクロメートル。普通の細菌は酵素を細胞外に出して物質を分解するが、この細菌は丸のみした物質を細胞内で分解していた。 細菌に巨大な口 高速でダイオキシン分解、表面に巨大な口がある細菌を見つけ、その遺伝子をダイオキシンを分解する能力がある別の細菌に導入、ダイオキシンの取り込み口をつくることに村田幸作京都大教授(微生物学)らが成功、米科学誌ネイチャー・バイオテクノロジー(電子版)に16日発表した。 従来より短時間でダイオキシンを分解できる「スーパー細菌」だとしており、環境中のダイオキシン処理に役立つのではないかという。