セブン&アイの快進撃は止まることを知らない勢いで、今度は百貨店の西武と融合することで、百貨店からスーパー、コンビニなど小売業界として国内で最大、世界でも有数の流通大手に成長します。 セブンイレブン・ジャパンやイトーヨーカ堂などの持ち株会社「セブン&アイ・ホールディングス」と西武百貨店などを傘下に持つ「ミレニアムリテイリング」が経営統合することで合意したとニュースが駆け巡り、翌日には株価もストップ高の気配。。。今後の企業価値としても期待が大きいのでしょう。
セブン&アイが西武グループを参加に持つミレニアム株を取得する形の統合で事実上の吸収合併!?買収とも言いますが、この結果、統合後の売上高は4兆5000億円に達してイオンを抜いて国内小売り業トップで、しかも世界でも有数の巨大流通グループが誕生することになり、今後は新たな流通業界の再編につながる可能性もある。 ミレニアム株を約65%保有する村証券グループの野村プリンシパル・ファイナンスが、セブン&アイへ株の売却を行う方向で、取得額などを調整して経営統合が実現すれば、百貨店とスーパー、コンビニエンスストアなど小売業としてのラインアップがそろった総合流通グループになる。 セブン&アイは今年9月、ヨーカ堂より子会社のセブン―イレブンの株式時価総額が多い「ねじれ現象」を解消し、仕入れの一元化などによるコスト削減を進めるためにグループの持ち株会社として設立された。ただ、ヨーカ堂は衣料品の低迷などが響き、ここ数年の売上高は前年割れが続いており、衣料品部門のテコ入れなどが急務になっていた。 一方、西武百貨店は、00年7月に経営破たんした大手百貨店「そごう」を救済。03年6月に持ち株会社のミレニアムを設立して、そごうの経営再建を進めてきた。経営が悪化していた西武百貨店自身も、05年2月期には171億円の経常利益を上げ、債務超過状態を解消していた。 ただ、百貨店業界は専門店の進出やスーパーの郊外大型店出店などを受けて競争が厳しくなっているうえ、高コスト体質などの課題も残ったままだった。 このため、セブン&アイとミレニアムは、相互の弱点を補完するとともに、百貨店とスーパーの相乗効果を生かし将来の成長戦略を描くため、経営統合に踏み切るべきだとの判断で一致したとみられる。 ◇セブン&アイ・ホールディングス 今年9月、セブン―イレブン・ジャパン、イトーヨーカ堂、デニーズジャパンによって設立された持ち株会社。資本金500億円。05年2月期の売上高(連結)は3兆6200億円でスーパー業界2位。傘下企業は70社、店舗数は世界18カ国・地域に約3万店で、従業員は約68万人。 ◇ミレニアムリテイリング 00年7月に経営破綻したそごうと、そごうを救済した西武百貨店が03年6月設立した持ち株会社。共同仕入れや店舗の再編などを進め、05年8月中間決算はグループ化以来、初の増収となった。05年2月期の売上高は西武百貨店が4729億円、そごうが4438億円。店舗、従業員数は西武が18店、2460人で、そごうが12店、2938人。