日産自動車も北米などで展開する「インフィニティ」を08年以降に導入する方向で検討中で、トヨタが8月から「レクサス」を展開するなど、自動車業界では、海外で成功した高級ブランドを日本国内に導入する動きが目立つ。
ホンダは14日、「アキュラ」のブランド名で北米展開している高級車販売網を08年秋から日本でも始める、と発表した。約100店の新販売網を設け、セダンを中心に「アキュラ」マークで売り、トヨタ自動車の「レクサス」に対抗するとともに、低迷する国内販売をテコ入れする。利幅の大きい高級車販売でのシェア争いが激しくなる。 「アキュラ」販売網は86年に米国で始め、その後カナダ、メキシコにも広げ、04年の世界販売台数は約22万台とホンダ全体の7%。「RL」(日本名レジェンド)、「RSX」(同インテグラ)など6車種を扱い、「レクサス」とともに、欧米勢の「キャデラック」「メルセデス・ベンツ」と競合するブランドとして定着している。06年から中国展開も始める。 ホンダの今年の国内販売台数は1〜11月で前年同期比2.1%減の約66万台で、年間目標の77万台に達しない見通し。人口減が予想され、市場拡大が見込めないため、高級ブランド戦略で台数より利益を重視する。 軽自動車を扱う「プリモ」、セダン中心の「クリオ」、スポーツ車を売る「ベルノ」の現行の国内販売網3系列を06年3月から「ホンダ」に一本化する。ミニバンなど売れ筋商品は3系列とも扱っており、販売店から「特徴が出せない」との声があがっていた。08年秋からは「アキュラ」との2系列だけになる。