マヤ文明のものとしては最古とみられる紀元前100年ごろの壁画を中米グアテマラで発見したと、米ニューハンプシャー大の考古学チームと米地理学協会が発表した。
2100年以上の長い年月を経たとは思えないほど赤、黄、黒や中間色の色彩が鮮やかに保存されており、一部解読可能とみられる象形文字も含まれていた。 チームは「従来考えられていたよりずっと古くから、高度に洗練された絵画技術がマヤに存在したことを示すものだ」と注目している。 壁画はグアテマラ北部のサンバルトロにあるピラミッドで発見され、幅は約9メートル。 「2012年人類滅亡はマヤ文明で明確に予言されていた」説 古代マヤ人が2012年に起こると予言したことが人類滅亡ではないとしたら、彼らは何を伝えたかったのだろう。マヤ遺跡に関する断片的な資料を研究した多くの学者によると、2012年に何かが起こると予言した明確な記録は残されていないという。 古代マヤ人は西暦1100年ごろに作成したドレスデン絵文書(写真)の最後のページで、確かに人類滅亡のシナリオを伝えているが、その日付は記されていない。洪水が世界を襲い人類が滅亡するという、多くの文化圏で伝承されている話である。古代の人々は世界が終わるほどではないが、大規模な洪水を経験していたとみられる。 「ドレスデン絵文書の終末シナリオは、そのままの意味ではなく、“人間はどう行動すべきか”を示唆する教訓ととらえるべきだ」と、天文考古学者のアンソニー・アベニ氏は話す。 同氏は絵文書に記された終末を現代の年末にたとえる。一年の終わりは周囲が慌ただしくなり、ストレスも感じるが、新たな年を迎える再生の時期でもある。これまでの行動を振り返り、次の年をよりよいものとする決意を固めようという意味だ。「実際に洪水が起きると予言したわけではない」と、同氏は結論付けている。