NECは12月7日、厚さ0.3ミリで折り曲げ可能(フレキシブル)な二次電池をNECが開発した。30秒以内の高速充電も可能で、ICカードに内蔵したり、衣服に装着できるウェアラブルPCも可能になるという。
新電池は、同社が開発した「有機ラジカル電池」で、ポリラジカルと呼ばれるプラスチック材料を使い、ラジカルの酸化還元反応を利用して充放電する。短時間の充電や大電流での使用が可能という。カドミウムや鉛など、従来の二次電池が使っている重金属が不要で、環境負荷が低いのとも特徴だ。 今回、電極の薄膜化技術を開発することで超薄型化した。内部は電解液が浸透したゲル状になっているため、フレキシブルに曲げることも可能だ。 エネルギー密度は1平方センチ当たり約1ミリワット時。アクティブ型RFIDタグに使った場合、1回の充電で数万回の信号発信が可能という。有機ラジカル電池の特徴を生かし。充電時間は30秒以内で済むとしている。 超薄型なため、ICカードや電子ペーパーへの内蔵や、人や動物に装着できる小型RFIDタグなどに応用できるとしている。曲げられるという特徴を生かし、衣服などに装着するウェアラブルコンピュータも可能になるとしてる。今後はエネルギー密度を向上させ、使用時間の長時間化などを図っていく。