日産自動車は、洗車などで生じる自動車ボディーの浅い擦り傷を自然になくす塗料「スクラッチガードコート」を開発した、と発表した。傷そのものが付きにくく、生じた傷も真夏の炎天下では、どんな色の車体でも1時間あればほぼ元通りになるという。
今回開発されたスクラッチガードコートは、クリヤーコート塗装部に高弾性樹脂を配合するとともに、高密度の網目状構造を採用することで、柔軟性と強靭さを備えている。これによって、塗装表面にはキズがつきにくくなり、また、ある程度のすりキズが生じた場合も、時間の経過とともに、ほぼキズが生じる前の状態まで復元される。
世界初の技術で、洗車機の利用や草むらなどを走行した際にできる細かい擦り傷が気になるドライバーにとって朗報となりそうだ。 塗装キズの大半を占める機械洗車時のキズについては、従来のクリヤー塗装に比べて、キズの発生を約5分の1程度に抑えられる。また、初期のはっ水性を長期にわたり持続することも可能となった。なお、ニッサンは近く、この塗料をSUVの一部車種に採用するという。
4層になっている塗装の最表面に塗る塗料に、弾力性のある特殊な樹脂を配合。熱で塗料が柔らかくなることで復元を促進し、傷が消える仕組み。高密度構造にすることで課題だった耐久性も向上した。気温が高いほど復元が早く、真冬の北海道でも日なたに置けば、1週間ほどで傷が元通りになるという。