地球に接近中の火星で10月末、大規模な砂嵐が起きていた様子を、米ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた。砂嵐は火星の赤道北方の約1500キロの範囲に及んでいた。
撮影されたのは10月28日。火星は30日に地球から約6942万キロまで近づいた。撮影当時、火星はふだんの倍以上の大きさに見えており、NASAは「アマチュア用の小型望遠鏡でも砂嵐が観測できただろう」という。 ただ、砂嵐の発生場所が無人探査車オポチュニティーの活動地点のそばのため、NASAは「砂嵐が(太陽電池が受ける)太陽光を遮り、十分な電力を得られないかも」と心配している。 火星の接近は「6万年ぶり」といわれた03年8月以来。もうしばらくは地上からも明るい姿が楽しめる。