米エネルギー省の核安全保障局が、最高で毎秒280兆6000億回の計算処理可能な世界最速のスーパーコンピューターなど2台を、同省傘下のローレンスリバモア国立研究所に導入し、近く実運用に入ると発表した。
これに対し、日本の文部科学省は、毎秒1京(けい)(1兆の1万倍)回の計算速度を持つ次世代機を来年度から開発する計画で、担当機関を理化学研究所に決定。 スパコンの「最速王座」をめぐる日米の争いが、新たな局面を迎える。 米国で稼働するのは、ともにIBM製で、世界最速の「ブルージーン」と、毎秒100兆回の計算処理ができる「パープル」の2台。核実験全面禁止条約の禁止対象となる地下核実験の代わりとして、精密な核実験シミュレーションを行うのに使われるほか、近年、国防上の課題となっている備蓄核兵器の経年劣化の計算にも力を発揮する。 スパコンの計算速度は、昨年6月まで日本の海洋研究開発機構が保有するNEC製の「地球シミュレータ」(毎秒36兆回)が世界一だったが、現在は4位。これを抜いたブルージーンは、その後も段階的に性能を向上、自己記録を更新していた。
一方、日本が王座奪還を目指す次世代機「京速計算機システム」の開発機関は、大型プロジェクトの実績がある同機構など5機関の中から、理化学研究所に決まった。2010年度の完成を目標に、国が1000億円を投じる巨大プロジェクトが動き出す。 PS3 分散コンピューティングFolding@home™に参加!チーム:68087 KnowledgeBase パソコンの電気代はどれくらい?消費電力を計算 東大、1チップで512G FLOPSを達成する512コアプロセッサ スパコン開発競争…米が最速機導入、日本も次機「京速計算機システム」着手へ