世界最強の英ロックバンド、ザ・ローリング・ストーンズが11月22日、シングルB面や未CD化曲などレア音源を集めた「RARITIES(レアリティーズ)1971−2003」を発表する。北米地域では、コーヒーチェーン店「スターバックス」の店頭でも発売され、アルバムの内容だけでなく販売方法も注目されている。日本国内は各レコード店で同月30日発売予定。
現在世界ツアー中のストーンズが“裏ベスト”を発表する。題名の「RARITIES1971−2003」の通り、71年から一昨年までの30年以上にわたって、録音されてきたレア音源を集めたものだ。 シングルB面曲や12インチ・バージョンなど未CD化曲を中心に、ライブやリミックス・テイクなど、表市場に出回っていないレアテイクばかり全16曲を収録している。 中には78年の全米ツアーのオープニングに演奏したチャック・ベリーのカバー「レット・イット・ロック」や、75年発表の代表曲「イッツ・オンリー・ロックンロール」のB面に収録されていた「スルー・ザ・ロンリー・ナイト」など“レア中のレア”も。高値で中古品市場から買うのはちょっと、とためらってきた音楽ファンには嬉しい一作だ。 さらに、このアルバムは、米国とカナダでは“スタバ”ことスターバックスの店舗でも発売される。スタバでは収益向上の新事業として、店舗でのCD販売を展開している。 ロイター電などによると、北米の消費者にはかなり浸透。全米300万枚を突破した故レイ・チャールズの「ジーニアス・ラヴ〜永遠の愛」は、うち73万枚をスタバで売り切った。その一方では今年6月、アラニス・モリセットのアルバムを6週間先行で独占発売。アラニスの母国カナダのレコード各店が抗議し、彼女の作品を撤去する騒ぎも起こしている。 今回のストーンズは、スタバでの販売は北米地域限定で、レコード店でも同時販売される。しかし、商魂のたくましさでも世界最強のストーンズだけに、今後もざん新な商法を打ち出してくるのは間違いなさそうだ。 ミック・ジャガーとキース・リチャーズほどロックンロール史上、多くの作品を作り出したコンビはいないだろう。結成当初からローリング・ストーンズはセクシーでワイルドで不良っぽいイメージを打ち出し、ダンディなリヴァプール・サウンドのビートルズとは好対照をなしていた。