FIAはF1委員会に先駆け、事前のFIA/AMDによる調査で94%と大多数のファンが「オーバーテイクシーンの増加」を望んでいることを受けて、テクノロジーパートナーのAMD社による支援を受けたFIAの調査チームにより研究を進めてきたCDG(Centreline Downwash Generating Wing)ウィングのコンセプトをまとめ上げ、公表した。
FIAは24日、この急進的なCDGウィングのコンセプトを2008年のテクニカル・レギュレーションに導入すべく、F1委員会に提案する意向を示している。F1委員会は、FIAがオーバーテイクチャンスを増やす目的で提案した革新的なウイングのコンセプトは理に適っているという点で同意に達し、2008年の採用に向け、検討される可能性が出てきたという。 新方式の予選は3部に分かれた「ノックアウト:勝ち抜き方式」。まず最初に15分の走行を行い、ラップタイムの下位5台は、そこで走行終了。次の15分でさらに5台が減り、勝ち残ったマシンがその後20分間の走行でポールポジションを争う。 予選方式が頻繁に変更されることについて苦言を呈したミハエル・シューマッハ(フェラーリ)の「テレビでF1を観る人が多くいるのに、どういった仕組みのスポーツなのかを深く理解している人は少ない。こうした人たちは、観ているものが分からなければ、興味を失ってしまうよ。レギュレーションの変更には、そういうことも視野にいれるべきだ」とのコメントを紹介している。 さらに2008年には、より幅広のスリックタイヤが復活し、タイヤサプライヤーは1社に絞られることになりそうだ。ただし、サプライヤーに関してはまだ問題が解決しておらず、変更される可能性もある。 スリックタイヤの復活と、レースで1セット以上のタイヤを使用できるといった案は、採用される見込みが高い。タイヤ交換に関しては、来季には復活し、1セットタイヤルールはたった1年で廃止されることになりそうだ。チームは週末を通して、タイヤ7セット(あるいは28本)までの使用に制限されるとみられる。2.4リッターV8エンジンの導入により十分にスピードが落とせるとFIAが考えたことが、タイヤ交換復活に一役買うことになるだろう。 F1委員会が行われ、来季以降に向けた規則変更パッケージについて話し合われた。 2007年のF1予選は“ノックアウト”予選方式が導入され、タイヤ交換が復活、2008年に向けては、革新的な“ダブルリヤウイング”、スリックタイヤの復活が提案された。2008年の新ルール案は、前倒しにされて2007年に導入される可能性もある。 チームは新ルールパッケージを1年前倒しにして2007年に導入する可能性についても話し合っている。 2006年FIAフォーミュラワンワールドチャンピオンシップに対して以下のレギュレーションが承認された。 タイヤ
各ドライバーは各イベントにおいて7セットのドライウェザータイヤを使用することが認められる。予選とレースで使用されるタイヤは同じスペックでなければならない。タイヤ交換はレース中のいつでも認められる。 予選方式 すべてのクルマがトラックに出ることが許可される。最初の15分間の最後における下位5台はそれ以上予選に参加することはできない。これらのクルマは後方5つのグリッドポジションとなり、その中で最速だったクルマが16位となる。 次のセッションへ向けて、残りの15台のタイムはリセットされる。2回目の15分間における下位5台はそれ以上予選に参加することはできない。これらのクルマは11位から15位のグリッドポジションとなり、その中で最速だったクルマが11位となる。 次のセッションへ向けて、残りの10台のタイムはリセットされる。最後の20分間においては、1位から10位のグリッドポジションが争われ、最速のクルマがポールポジションを獲得する。 予選において最初にコースに出たときからレースがスタートするまで、クルマはパルクフェルメコンディション下に置かれることになる。タイヤ交換と再給油はもはやパルクフェルメレギュレーションの一部とはならない。 燃料の追加は予選最初の40分間においてはすべてのクルマに対して認められ、最初の2つのセッションで離脱したクルマに対する再給油はレースのためにピットレーンがオープンするまではいつでも認められる。最後の20分間に参加する際には、チームはレースをスタートするときの燃料量をクルマに満たしておかなければならない。20分間に使用した燃料については、レーススタート前に元の状態に戻すことが認められる。 もし22台が参加する場合は、15分の各セッションにおいて6台が離脱し、最後の20分間には10台が残る。もし24台が参加する場合は、15分の各セッションにおいて6台が離脱し、最後の20分間には12台が残る。 2008年チャンピオンシップのために、あるパッケージが承認を得た。これにはセンターライン ダウンウォッシュ ジェネレーティング ウィング、幅広ホイール、スリックタイヤの導入も含まれており、シングルタイヤサプライヤーとなる。もし、2005年12月末までにF1テクニカルワーキンググループの80%の承認が得られれば、このパッケージは2007年に前倒しされることとなる。