ロシアの宇宙船ソユーズに搭載された高知県産の日本酒用酵母と酒造好適米の種もみが高知に帰還した。14日にロシア側の代表者が高知県工業技術センター(高知市)で西内豊所長に引き渡した。 高知県酒造組合(高知市、竹村彰夫会長)に加盟するメーカーがこの酵母を使い、11月中旬から酒造りに入る。来年4月に統一ブランド「土佐宇宙酒」を発売する。
宇宙を旅した酵母は寒天を培地にしたウエット型が4種類、凍結乾燥させたドライ型が8種類。種もみは2種類。ロシアに同行した上東治彦・同センター食品開発部長によると「ウエット型は地上にあったものと比べ成長が若干早い」という。 今後はまず変化が少ないとみられるドライ酵母を使い日本酒を生産。2年目には遺伝子の変異が考えられるウエット酵母の中で醸造に適したものを選んで使う。 種もみは高知県農業技術センターが3年かけて10トン程度に増やし、将来は宇宙帰りの酵母と種もみを使った日本酒を造る。竹村会長は「今日がスタート。特にウエット酵母に期待している」と話している。
宇宙酒仕込み始まる−来年4月、世界同時解禁・高知 宇宙で育った酵母を使った日本酒「宇宙酒」の仕込みが29日、高知県いの町の高知酒造などで始まった。県内の酒米と合わせて吟醸酒に仕上げ、来年4月1日、全国各地と世界数カ所で同時に発売される。 新しい土佐名物にしようと、同県酒造組合連合会などが企画。県工業技術センターで開発された酵母は10月1日、ロシアのバイコヌール宇宙基地から宇宙船ソユーズで打ち上げられ、国際宇宙ステーションに滞在。同11日に無事、地球に帰還した。 酵母は同センターで培養され、県内18の酒造会社に配布。今年使用するのは乾燥状態で打ち上げられたもので、味に大きな変化は見込めないというが、酒造組合は「夢とロマンをもって飲めば、きっと宇宙の味がする」と期待を膨らませている。 <発売までの予定>
2005年11月25日頃、高知県工業技術センターより宇宙酵母配布予定。 2005年12月7日、宇宙酒1号の「酒母仕込み」開始予定。 2005年12月8日、宇宙酒2号の「酒母仕込み」開始予定。 2005年12月19日、宇宙酒1号の「もろみ仕込み」初添え予定。 2005年12月20日、宇宙酒2号の「もろみ仕込み」初添え予定。 2005年12月末までに、商品内容詳細(容器、ラベルデザイン等)決定予定。 2006年1月20日前後、宇宙酒1号の「搾り」予定。 2006年1月21日前後、宇宙酒2号の「搾り」予定。 2006年1月23日、宇宙酒3号の「酒母仕込み」開始予定。 2006年1月24日、宇宙酒4号の「酒母仕込み」開始予定。 2006年1月末頃、「司牡丹・土佐宇宙酒」チラシ完成、予約受注開始予定。 2006年2月4日、宇宙酒3号の「もろみ仕込み」初添え予定。 2006年2月5日、宇宙酒4号の「もろみ仕込み」初添え予定。 2006年2月、第1回「土佐宇宙酒審査会」開催予定。 2006年3月5日前後、宇宙酒3号の「搾り」予定。 2006年3月6日前後、宇宙酒4号の「搾り」予定。 2006年3月、第2回「土佐宇宙酒審査会」開催予定。 2006年3月末頃、予約分出荷予定。 2006年4月1日、全世界同時発売解禁!
※「土佐宇宙酒認定基準」:下記基準をクリアしたもののみに、認定シール貼付を許可。 <酵母>宇宙を旅した後の高知県産酵母6種類の中から選択(単独、及び混合可) <原料米>高知県産酒造好適米「吟の夢」または「風鳴子」を100%使用 <精米歩合>55%以下 <造り>米100%で、低温長期発酵の吟醸造りを行なった純米吟醸酒 <香味>「土佐宇宙酒審査会」の官能審査に合格したもの <土佐宇宙酒審査会>「土佐宇宙酒」としての品質基準に適合しているかを認定する 機関。高松国税局鑑定官、高知県工業技術センター酒類担当、高知県酒審会審査員 のメンバーにより構成される。 ◆「司牡丹・土佐宇宙酒」について(2005年11月現在) <酒質設計> 商品名:「司牡丹・土佐宇宙酒」(純米吟醸酒) 原料米:高知県産酒造好適米「吟の夢」と 高知県産酒造好適米「風鳴子」(永田農法・土佐清水産)の混合 精米歩合:55% 日本酒度:+5前後の予定 酸度:1.4前後の予定 アルコール分:15度以上16度未満 酵母:宇宙を旅した高知県産酵母2種類混合(「CEL‐19」と「9号系の県産酵母」) 容量・価格:720ml・2500円前後の予定 製造量:720ml×20,000本程度(仕込み4本)
◆「司牡丹・土佐宇宙酒」について(2005年11月現在) <酒質設計> 商品名:「司牡丹・土佐宇宙酒」(純米吟醸酒) 原料米:高知県産酒造好適米「吟の夢」と 高知県産酒造好適米「風鳴子」(永田農法・土佐清水産)の混合 精米歩合:55% 日本酒度:+5前後の予定 酸度:1.4前後の予定 アルコール分:15度以上16度未満 酵母:宇宙を旅した高知県産酵母2種類混合(「CEL‐19」と「9号系の県産酵母」) 容量・価格:720ml・2500円前後の予定 製造量:720ml×20,000本程度(仕込み4本)