発光ダイオード(LED)を使った農作物の低農薬栽培を手掛けるG無農薬栽培研究所(徳島県阿南市、湯浅伯幸所長)は、作物の成長を早め病気やダニの予防に効果があるという青色LED照射装置「ブルーライン」を開発、発売した。 イチゴの栽培実験で、苗をハウスに移植した後は出荷まで消毒せずに済み、収量が倍増することを確認した。
価格は青色LEDを10センチ間隔で3000個つなげた配線を約300メートルの透明チューブの中に通し、電源や変圧器を付けた基本構成で70万円。10アール程度の畑やハウスで使える。すでに実用新案を取得した。 イチゴの花芽の分化を早め、収穫間近の実にひび割れが入る裂果がなくなる効果がある。収量増大と品質向上で、10アール当たりの出荷額は全国平均の2.5倍の約500万円となった。 病気抑制はうどん粉に似たカビが果実を覆う「うどんこ病」の予防に有効で、2003年から繰り返している実験では栽培期間中の消毒回数を段階的に減らし、05年の出荷はゼロを実現した。
発光ダイオードの光でバラ育つ LED(発光ダイオード)の光だけを受けて、試験管の中で育つバラやトレニア――。世話いらずで場所もとらず、気軽に花を楽しめる装置を、自動車用照明器具メーカーのスタンレー電気と東海大の研究チームが開発した。これまでの試験では9割以上の開花率で、来春をめどに商品化する予定だ。 LEDの青い光が開花を促進する特性を利用。赤と緑の光との組み合わせや、窒素やリンなどの配合比率を調節した培地を工夫し、開花に最適な条件を5年あまりかけて突き止めた。直射日光など強い光に当てると、バランスが崩れて開花しないという。 開発に携わった東海大理学部の森康裕非常勤講師(光環境調節工学)は「インテリアとして使えるほか、開花のメカニズムを探る実験の道具としても役立つのではないか」と話す。
開発に携わった東海大理学部の森康裕非常勤講師(光環境調節工学)は「インテリアとして使えるほか、開花のメカニズムを探る実験の道具としても役立つのではないか」と話す。