秋鯖（サバ）秋茄子（なす）秋なすび は「嫁に食わすな」の本当の意味は・・？

　
　この【秋サバは嫁に食わすな】ということわざを、鯖は秋がマジ旨いから嫁になんて食べさせられない・・・あ〜もったいないと、意地悪ばあさんのようにとらえている人が多いようですが、そんな風にしか考えられないとは・・・浅はかと言うか世知辛い世の中ですね。昔の人はちゃんと先を見越して物事を考えていたんですね。
　
　
　春から初夏にかけて産卵を終えた鯖が、秋のなるころのは体力を回復して、冬に備えて脂ものってくるため確かに旨いのですが、これは最近の話で、昔は「鯖は鮮度がすぐに落ちるので、体によくない」と言われ、流通が魚の鮮度を保つ技術もなかった時代では、嫁の体を守る意味で使われていたようです。そして最近でも、厚生労働省が注意勧告をしたように、回遊魚である鯖は、海中に溶け込んだ水銀を体内に蓄えているので、大人の体には影響のない量でも、小さな胎児には濃度の高い毒薬になってしまいます。
　
　
　時代や技術が進んでも、嫁を思う姑（グランドマザー）の思いはいつも同じなんでしょう。美味しいからと言って、なんでもむやみに食べさせるのが本当の愛情ではないんです。
　
　
　そして、【秋茄子は嫁に食わすな】ということわざもあります。
　
　これも意味として一般的に誤訳されているのは、嫁姑問題に象徴されるように「嫁いびり」美味しい秋茄子を嫁に食べさせるのはもったいない。というような意地悪な姑の考えなんだと言われるようになってしまいましたが、これも「秋茄子は種子が少ないので、子供に恵まれなくなるから」や「子を授かっていない嫁に対する気遣い」と、嫁であっても娘で、そして孫のことも心配するグランドマザーとしての思いを持たせた言葉には思慮深いものがあります。言葉の表面だけで判断しかできない世代の自分が悲しくなりますね。
　
　
　秋茄子は種子が少ないので、子供に恵まれなくなるからという説。そして茄子は身体を冷やすので、嫁の身体をいたわるためという説。または子を授かっていない嫁に茄子を出すことは、嫌み（プレッシャー）になるという気遣いがある。
　
　　
　ことわざも時代とともにその内容やとらえ方が変わってくるものなのでしょう。姑がどんな気持ちで秋茄子は嫁に食わすなと言うのか、本当に意地悪な姑が居る家庭もあるでしょう。
　
　
　現代では、子供ができないことをプレッシャーに思ったり、そこことで姑が言うことで喧嘩になったりと、孫を望む事が家庭を守るという考えも薄くなってしまった現代では、子宝を望む事が家庭内のいじめと捉えてしまうと、秋サバも秋茄子も嫁いじめのことわざになってしまいます。
　
　
　それぞれの各家庭やお嫁さんのとらえ方次第でことわざの意味は異なりそうですが、ことわざのような状況になった時に、「まぁお義母さんったら！きっと私の体に良くないからなんだ。」とか、「美味しいものだから食べさせてもらえて良かった」と何事もポジティブ受け止めれば何の問題にもなりません。
　
　先人が思い後世に残した言葉や思いをまた後世に伝え残すことが現代の私たちの使命です。
　
　2008-02-11 19:05:18