ニューヨーク・タイムズによると、ベートーベンのピアノ連弾曲「大フーガ」(作品134)の自筆の草稿が米ペンシルベニア州フィラデルフィア郊外の神学校で115年ぶりに見つかった。 ベートーベン晩年の作品で、弦楽四重奏のために作られた「大フーガ」を、ピアノ連弾のために書き直した「大フーガ変ロ長調」(作品134)の自筆とされる楽譜80枚が、米ペンシルベニア州で見つかった。オークション会社のサザビーズなどによると、この楽譜は1890年、ベルリンで競売に付されて以来、行方が分からなくなっていた。
この作品は弦楽四重奏曲「大フーガ」を連弾用に編み直したもので、死の前年の1826年に完成した。
80枚に及ぶ譜面には様々な書き込みや変更の跡があり、最晩年の「楽聖」の思考の流れや曲作りの手法がうかがえる「歴史的発見」という。 サザビーズによると、楽譜は7月、フィラデルフィア郊外にあるパーマー神学校の地下の部屋で、職員のヘザー・カルボさんが見つけた。この神学校では90年にモーツァルト自筆の「幻想曲ハ短調」「ソナタ・ハ短調」の楽譜も見つかっている。